「お疲れさま」

 大好きな川北義則(かわきたよしのり)さんの『20代の君たちへ これだけはやっておきなさい』(KADOKAWA、2015年)の中に、こういった下りがあります。

 ご苦労さま」と「お疲れさま」もよく間違える言葉だ。上司が取引先から帰社した。女子社員がいった。「ご苦労さまです。お茶にしますか、コーヒーになさいますか」 これは問題ないだろうか。やはりバツである。「ご苦労さま」は目下にいう言葉で、目上に使ってはいけない。この場合は「お疲れさま」が正しい。「お疲れさま」は目上、目下関係ないから、すべて「お疲れさま」にすれば問題はなくなる(下線は八幡)

 川北さんのこの本が出た日に今井書店・学園店に行って、棚からすぐ取って買って家に帰ってから、昔の川北さんの著書『20代にこれだけはやっておきなさい』(三笠書房、2001年)と間違えて買ってしまったことに気づきました(タイトルがよく似ているでしょ?)。この本は昔読んでいます。最近、こういうそそっかしい間違いが多くなりました。歳のせいですね。さて本題の「お疲れさま」に戻ります。実は、これにも問題があるんです。

タモリ 「子役が誰彼かまわず『お疲れ様です』といって回るのはおかしい──タモリさんのこんな発言が大きな波紋を呼びました。事の発端は、2015年7月26日に放送された『ヨルタモリ』(フジテレビ系)です。タモリが、「『お疲れ様』というのは、元来、目上の者が目下の者にいう言葉。これをわかっていないんですね」と力説して、民放連(日本の民間ラジオ・テレビ業者が所属する団体)が子役に「お疲れ様」といわせないよう申し入れをすべきだ、とまで提言したんです。これに「我が意を得たり」と声を上げたのが中高年世代です。

 「先に帰る若手社員に『お疲れ様です』といわれるとカチンとくる。そこは『お先に失礼します』だろう!」(50代男性)   「後輩に上から目線でいわれているようで、嫌だ」(40代男性)  「お疲れ様」が悪いのか、気にするほうが悪いのか。日本語教育研究者で、山形大学地域教育文化学部准教授の園田博文氏はこう話します。 「『ご苦労様です』『お疲れ様です』というのは、本来、人をねぎらう言葉。目上の人が使うのが伝統的で、目下の人が目上の人に使うのは失礼にあたります」  一方の若い世代は、タモリさんの指摘にショックを隠せないようです。 「ビジネスマナー講習で『ご苦労様』は失礼だから、『お疲れ様』を使えと教わったのに」(20代男性)   園田氏によれば、こうした世代間ギャップが生じ始めたのは、ここ10年から20年ほどのことだといいます。 「『ご苦労様』は若い人の間でも“上から下”の意識が強いようですが、『お疲れ様』ではその意識が崩れている。その分岐点は40代あたりで、50代、60代以上の人が違和感をおぼえるのは当然でしょう」(園田氏)  「お疲れ様」はいつの間にやら、若い世代の中で挨拶のスタンダードになっています。NHK放送文化研究所・塩田雄大氏のアンケート調査によれば、その日に会った冒頭の挨拶として「お疲れ様です」を使う人は、60歳以上では36%。20代、30代では59%にのぼります。年配者が使う頻度が高いはずの言葉を、逆に若い世代ほど多用しているのが現実なんです。「若い人たちは悪意ではなく、ねぎらいの気持ちで使っているんだから……」(60代男性)と、あえて指摘しない人がほとんどのようですが、社内で軋轢が生じた例もあります。ある広告代理店に勤務する30代女性の話。「50代のワンマン社長が突然『お疲れ様禁止令』を出したんです。『朝出社してすぐ、疲れてもいないのに、お疲れ様です、はおかしいだろ』と。仕方なく社員みんなで『お疲れ様です』に代わる挨拶を考えたんですが、思い浮かばなくて」 結局、「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」と、時間帯によって使い分ける“普通の挨拶”に落ち着いたというが、「なんか、よそよそしい感じで、しっくりこないんですよね」と女性社員は首をかしげます。

 少々古いですが、文化庁のサイト平成17年度版「国語に関する世論調査」によれば(⇒コチラです)、会社で一緒に仕事をした人たちに対して、仕事が終わったときに何という言葉を掛けるかを、自分より職階が上の人の場合に尋ねた結果が次の通りです。約7割が「目上にはお疲れ様を使う」と答えています。近年ビジネスマナーの講習会では、「『御苦労さま』は目上の人から目下の人に使うのに対して、『お疲れさま』は、同僚、目上の人に対して使うもの」と教えられているようです。私の語感でも全く違和感はありません。北高のALTにも着任時にこの挨拶を教えたぐらいですから。

「お疲れ様(でした)」・・・・・・・・・69.2%

「御苦労様(でした)」・・・・・・・・・15.1%

「ありがとう(ございました)」・・・・・11.0%

「どうも」・・・・・・・・・・・・・・・ 0.9%

何も言わない・・・・・・・・・・・・・・ 0.6%

 最近、「文化庁」が発表した令和元年度の「国語に関する世論調査」では(16歳以上の男女3,500人を対象に実施し、約2,000人から回答⇒コチラです )、慣用句の「敷居が高い」「高級すぎたり上品すぎたりして入りにくい」と捉える人が56.4%にのぼり、辞書で本来の意味とされる「相手に不義理などをして行きにくい」と理解している人は29.0%で、前回2008年度調査よりも13.1ポイント減っています。国語が乱れているか?」との問いに、「思う」と答えた人は66.1%、「思わない」は30.2%でした。約20年前の平成11年度比で、「思う」人は85.8%から大幅に減り、「思わない」人は10.3%から約3倍に増えています。言葉は時代によって変わり、多少の乱れがあっても、根本的には変わっていない、気にはなるが、乱れとまでは捉えていない、というのが今の実態なのでしょう。「敬語の使い方」「若者言葉」「新語・流行語の多様」「あいさつ言葉」などが、乱れの実態として考えられています。♥♥♥

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