行列のできるケーキ屋さん!

◎週末はグルメ情報!今週はケーキ

 私が今はまっているケーキ屋さんが、松江駅の裏手にある「cii stand」(シースタンド 11時~20時 売り切れ次第終了)です。松江駅南口から徒歩1分の所にある、昨年の4月22日にオープンしたばかりのまだ新しい洋菓子店です。食パンの「乃が美」「NOVA」のちょうど裏手にあたる場所です。若い女性パティシエ店長・講武千晶(こうぶちあき)さん(27歳)が1人で切り盛りしておられます。大阪の名店「プレヴェール」と、神戸の最高峰「パティスリーアキト」で、修行を積んだ、若い店長さんです。ここが、松江では珍しく行列のできるおしゃれなお店なんです。

 昨年開店した際に、「cii stand」(シースタンド)というお店の名前の由来を教えてもらったことがあります。店主のお名前が「ちあき」さんで、その名前をとって「cii」とのこと。ケーキの「c」でもあります。この音を出すときには口角が上がって笑顔になるところから、お客様を笑顔にするという意味も込められているそうですよ。「パティスリー」ではなく「スタンド」としたのは、いろいろなことに挑戦するお店でありたいという思いからだそうです。松江ではなかなか味わうことのできない、都会の洗練された上品なケーキを提供しておられる八幡オススメのお店です。

 何よりもケーキが美味しいのが、このお店一番の魅力ですが、他にもいっぱいイチオシのサービスがあるんです。それらも惹きつけられる大きな魅力となっていますので、それをちょっと挙げてみますね。

(1)箱詰めする際に、ズレないよう動かないようにきちんと固定してもらえる

私は自転車で訪れることがほとんどなので、これは実に有り難いサービスです。他のケーキ屋さんでは、そのまま箱に入れてしまわれるので、箱の上下左右にケーキがぶつかって、家に帰るともうグチャグチャ状態になっていることも多いんです。ケーキ同士が、あるいはケーキが箱にあたって原形をとどめなくなっていることも度々。このお店はその点、厚紙の仕切り版で1個1個固定してあるので、家に持ち帰っても、そのままきれいな姿のままです。実に気持ちいい。私が津和野高校時代に通っていた博多のケーキ屋さん(エクラタン」「ジャック」「ブルーフォンセ」等)では、きちんと固定してもらえたので、新幹線・特急で何時間かかって家に帰っても、ショーウィンドウに飾られていたのと同じ形のケーキを食べることができ、気持ちよかったです。関西博多では当たり前のサービスのようですが、松江ではまだ珍しいお店です。

(2)箱を開けやすくシール角が折ってある

他のお店では箱にそのままペタッとシールを貼ってあるので、なかなか開けられなくて、爪を立てて剥がすのが一苦労ということも多いんです。その点、こうして折ってあると、その部分からペロッとスムーズに剥がすことができるんです。ちょっとしたことですが、これも実に有り難いサービスですね。この点を一度聞いたことがあるんですが、店長さんが関西で食べ歩きをしている中で、出くわしたサービスに感動して、取り入れておられるんだそうですよ。

(3)ケーキを包んでいるセロファンの切れ目がスグ分かる

ケーキを包んでいるセロファンがありますね。あれを剥がして食べるんですが、松江の他店のケーキでは、あれの継ぎ目が分からずに苦労して探すんです。結局見つけられずに上に引っ張ってしまいケーキが崩れてしまった経験はありませんか?私はしょっちゅうでした〔笑〕。「cii stand」のケーキの包み紙は、切れ目の所にこうしてはっきりと直線が見えます。あ、ここが切れ目だな、とすぐに分かるんです。ちょっとしたことなんですが、お客さんに優しい配慮です。

(4)買ったケーキをお客さんのところまで出てきて渡してもらえる

 松江のケーキ屋さんのほとんどが、レジのところでお金を払い、そこでカウンター越しにそのまま手渡してもらうのがほとんどです。写真のようにこうやって、こちらまでカウンターから出てきて手渡してもらえるのは、私の知る限り、松江では田和山「ウィーンの森」ぐらいでしょうか(出口まで持って来て渡してもらえます)。お客さん目線で大事にしてもらっているみたいで、なんだか嬉しいですよね。実に丁寧な接客をしてもらえます。

 ここで、開店時のエピソードを。『山陰中央新報』(2019年5月11日付)の記事に、感動的な話が載っていました。

 若い店長の講武千晶(こうぶちあき、25歳)さんは、小学生の頃からパティシエになることを夢見て、辻調理師専門学校の製菓部門で学び、卒業後は大阪市内の洋菓子店で3年、神戸市で1年半修行を重ねました。修行を始めて1年目の秋に、指導のあまりの厳しさに耐えきれず、帰郷した際に、祖父の故・礼次さんに、思わず弱音を吐いたそうです。すると返ってきた言葉は「3年も持たん者が店をだせるものか!」と突き放されたと言います。頑固な祖父の愛のこもった激励の言葉に背中を押され、技術を磨いて必ず松江に帰って来る、と固く約束を交わしたそうです。2017年クリスマス直前、礼次さんがお亡くなりになります(享年86歳)。約束したパティシエとして独り立ちする姿を祖父に見せられなかった悲しみの中で、「家族のそばで働きたい」との思いが一層強くなったと言います。帰郷を決めて、親族の家の1階部分を改装して構えたお店が、今の「cii stand」です。このお店の中には、生前祖父の礼次さんの焼かれた陶器がたくさん置いてあります。その想い出の品の数々を、店長さんに見せていただいたことがあります。

▲ケーキ「禮」

 「cii stand」の定番ケーキの中に、「禮」(れい)というケーキがあるんですが、これは祖父の礼次さんに捧げたケーキなんです。祖父が好物だったというブランデーとピーナッツを練り込んだ、実に美味しいケーキです。私は個人的には、「メリメロ」というフルーツの入ったケーキのファンです。この時期はやはり栗の「モンブラン」が美味しいですね。ダクワーズの白いビジュアルの生地の中から、赤い実のソースとピスタチオクルスティアンの「しろ」というケーキも最近美味しかったです。なお、このお店の新作ケーキの情報は、インスタグラムで随時公開しておられます。⇒コチラです  最新作は、青森紅玉を使ったリンゴのタルト「タルトタタン」で、これが絶品です。こんな美味しいタルト食べたことない!!限定生産だそうです。

▲今一番人気の「モンブラン」すぐ売り切れる

▲最新作「タルトタタン」絶品です!

 私は、米子「勝田ケ丘志学館」の電車帰りに、午後5時半頃、お店に立ち寄ることが多いんですが、人気店でショーケースにはいつももうほとんどケーキが残っていません。完売してお店が閉まっていることも度々!それではと、開店時間(午前11時)に勇んで行くと、お店の前には長蛇の行列ができています。店長さんが一人で接客・箱詰めをしておられるので時間がかかり大変です。季節季節の旬な果実を用いた実に上品な味で、ちょっと松江で味わったことがないケーキばかりで気に入っています。各所に差し入れすることもあるんですが、みなさん喜んでもらっているようです。祖父の面影を色濃く残す店内で、若い店長さんが目を輝かせながらケーキを焼いておられます。今はクリスマスケーキの準備に余念がありません。ぜひみなさん、一度足を運んでみて下さいね。応援したいと思います。❤❤❤

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