強く願う!

 私の大好きな松下幸之助(まつしたこうのすけ)さんのお話しです(八幡家の電化製品は全てパナソニック製。ただし最近、腹を立てたテレビを除いてはネ⇒コチラです)。まだ戦前の夏の暑い日のことです。天王寺界隈の表通りに共同で使う水道がひいてありました。そこに荷車を引いてきた人が、栓をひねってゴクゴクと水を飲み始めたのを、松下幸之助さんが見かけました。水というものは、人間にとってなくてはならない貴重なものです。それを通りがかりの人が思う存分に飲んでいます。しかしそれを誰一人として泥棒だと責め立てたりはしません。それは水が豊富にあり価格も安いからです「これだ!―いい物をたくさん!これを実現することにより、物質的な豊かさを生み出し、人々の幸福を実現していくお手伝いをすることこそ、自らの使命だ!」松下さんは強く思いました。「水道哲学」の原点がここでした。そしてこれを実践することにより、堰き止めたダムの水によって干ばつがしのげるように、会社経営にも資金や設備あるいは在庫といったさまざまな面に「ダム」があれば余裕のある経営ができる、という松下幸之助さんの「ダム経営理論」が生まれたのでした。。

 昭和40年頃、京都の中小企業経営者たちが集まった講演会に招かれた松下さんは、その日も「ダム経営のすすめ」をテーマに講演をして、終了後、質疑応答の時間となりました。ある経営者が、松下さんに質問します。松下さんの言うように余裕があればそれにこしたことはないが、我々はその余裕がないから困っているのだ。どうしたら余裕が出来るんか、それを教えて欲しい」松下さんは少し考えた後で、こう答えました。そうですなぁ。簡単には答えられませんが、やはり、まずダム経営をやろうと思うことでしょうな」この答えに、会場では聴衆から拍子抜けした失笑がもれます。もっと具体的な回答を期待していた経営者たちには、「な~んだ」ということだったのでしょう。

 しかしそのとき、身体に電流が走り、身の震えるような感動と衝撃を受けた人物が会場にたった一人だけいました。現・京セラ名誉会長稲盛和夫(いなもりかずお)さんです。当時の京セラは、まだ創業から数年しか経っておらず、稲盛さんは、今後の経営に大きな悩みを抱えながらこの講演会に参加していました。そうか、まず思うこと、信じることが何にもまして肝要なのだ。その思いが経営に反映されるのだ。松下さんも今までそうしてきたからこそ、今日の松下電器があるのだ…」稲盛さんは、この松下さんの一言によって、経営に対する信念を根本から思い直したと言います。その後の京セラの飛躍的な発展は、みなさんもご存じの通りです。

 私は、何ごとによらず、それをなし遂げるために最も大切なことは、まずそのことを強く願うというか、心に期することだと思うのです。なんとしてもこれをなし遂げたい、なし遂げなければならないという強い思い、願いがあれば、事はもう半ばなったといってもいいい。そういうものがあれば、そのための手段、方法は必ず考え出されてくると思います。    ―松下幸之助『経営のコツここなりと気づいた価値は百万両』(PHP)

 松下さんは「何としても二階に上がりたい、どうしても二階へ上がろう、この熱意がハシゴを思いつかせ、階段を作り上げる」と、「熱意」の大切さを語っています。今できないものを何としてでも成し遂げようとすることしか、高い目標を達成することはできないのです。

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 生徒:「八幡先生、僕、「共通テスト」で100点を取るにはどうしたらよいでしょうか?」―八幡:「そうですなあ。簡単には答えられませんが、やはり、まず100点を取ろうと思うことでしょうな」〔笑〕♥♥♥

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