定期購読しているジャパンタイムズの『alpha』(11月20日付)に、クロースアップ・マジシャンの前田知洋(まえだともひろ)さんのインタビュー記事が掲載されました。前田さんの姿を見るのは本当に久しぶりです。一時は、テレビの特番にひっぱりだこで、時代の寵児となっておられたマジシャンです。「クロース・アップマジック」というジャンルを、日本で広めた功労者でもあります。自分のマジックの技術は、人の生活を豊かにし、人々に希望を与えるものでなくてはならない、というのが彼の信条です。
「人をだます」ことに人生をかけてきた(コチラのインタビューも参照)、マジシャンとしての前田さんの哲学には、「嘘の三原則」というのがあります。
①「嘘はコストがかかる」 嘘をついてそれを本当のように美しく見せるために、前田さんはクラッシックバレーや武道などの勉強もしておられます。ネールサロンに通って商売道具の指を手入れしておられます。英語の勉強も欠かさず、YMCAで英会話を勉強しておられます。
②受け手がその嘘を望んでいること ミステリーの女王・アガサ・クリスティが「人々はだまされたがっている。だから私がだましてあげましょう」、フランスの有名なマジシャンロベール・ウーダンが「人は、ただだまされたいのではなく、紳士にだまされたいと思っている」という言葉を残しているように、人はだまされたくないと思いながらも、どこかであえてだまされて感動を体験したいと願っているものなのです。
③嘘には文化と科学の領域がある 世の中で許されるいい嘘はすべて「文化の領域」(芸術・アート、映画、演劇、マジック等)の嘘です。「科学の嘘」は許されない嘘、悪い嘘になります。数年前のSTAP細胞の騒動があれだけのバッシングを受けたのは、「科学の嘘」だったからです。
ウェブサイトに掲載された拡大版インタビューでは、英語の勉強で、university(大学)という単語がラテン語のuni(「1」) に由来し、union(結合), unicorn(一角獣)などにつながっていることに気付いたと言います。こうやって英語に興味を持ち、もっと学びたいという気持ちになったと告白しておられました。私は普段の英語の授業の中で、unit(単位), unite(結合する), unity(単一性), unison(調和), uniform(制服), universal(全世界の), unanimous(満場一致の), unique(独特の), reunion(同窓会)などと広げていって、生徒の「語彙力」の増強に努めています。そういう英語の「勉強の仕方」を教えてくれるのが、私が勝田ケ丘志学館で採用している、竹岡広信先生の『LEAP』(数研出版)であり(最近『LEAP Basic』が出ました)、清水建二先生(シミケン)の『英単語の語源図鑑』(かんき出版)です。
前田知洋さんの公式ウェブサイトはコチラです。前田さんの特番が久しぶりに見たいなあ~。私は前田さんの大ファンで、テレビの特番は全部録画し、DVD集、書籍も全部買っており、建築誌『MODERN LIVING』(ハースト婦人画報社)に掲載されていたエッセイもずっと読んでおりました。♥♥♥