アンドレ・ギャニオン逝く

 12月6日付けの『読売新聞』の片隅に、カナダのピアニスト・アンドレ・ギャニオンの訃報がひっそりと載っていました。癒やしのヒーリング/ニューエイジ音楽の第一人者で「めぐり逢い」などで知られ、ニューエイジ音楽ブームの火付け役でもありました。

 私は若い頃は、辞書の細かな原稿書きに追われ、夜中まで机に向き合っておりました。『ライトハウス英和辞典』(研究社)の編集主幹であった故・竹林 滋先生(東京外国語大学名誉教授)モーツアルトのピアノが大好きでよく聞いておられました。その影響もあってか、私は部屋の中でピアノ音楽を流しながらペンを走らせると仕事がはかどるので、リチャード・クレーダーマンジョージ・ウィンストンピエール・ポルト西村由紀江村松 健さんなどのピアノ音楽を流していました。アンドレ・ギャニオンもそのうちの一人です。カナダの新聞ラ・プレッセやカナダ放送協会によると3大認知症のひとつである「レビー小体型認知症」を患っていたとのことです。家族に囲まれて12月3日に亡くなられたそうです。84歳でした。

 アンドレ・ギャニオンは、1942年カナダのケベック州北部生まれ。19人の子供の末っ子であるギャニオンは、6歳で作曲を始め、10歳でリサイタルを開きモーツァルトを演奏しています。その後、モントリオール音楽院を経てケベック政府奨学金でパリに留学。クラシックや映画音楽にも関わり、クラシック音楽とポピュラー音楽の掛け橋になるべく1968年にデビュー。日本デビュー作となった『インプレッションズ(印象物語)』は、その後のアンドレ・ギャニオンの音楽スタイルを決定づける作品となりロングセラーを続けています。

 日本でも人気のピアニストで、『Age,35 恋しくて』「甘い結婚』『優しい時間』『氷点』といったドラマの音楽も担当しています。来日公演も大盛況でした。カナダの大自然となる風景と心情が織り込まれたような美しい澄み切ったメロディ、その沈み込むようなピアニズムと繊細なサウンドは、静かに深く日本の音楽ファンの心を捉え続けました。最新のピアノアルバム『ピアノメモリアル』(ビクター、2019年)をアマゾンで取り寄せて、若かりし日の想い出に浸りたいと思います。合掌。♥♥♥

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