胸を打つ話

 鳥取県立米子東高等学校の最新の同窓会会報である「勝陵」第50号(2020年11月30日発行)に、勝田ケ丘志学館」館長山根孝正先生が、「勝田ケ丘志学館は、あなたの夢を応援します」と題する文章を寄せておられます。その中に<感動した大学生からの寄付>という一文がありますので、ご紹介してみたいと思います。

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 しかし何分にもゼロからのスタートで、教室の整備や機器の購入に必要な資金が全くないため同窓生の皆様へご支援をお願いしたところ、今年9月末現在で延べ1,620名の方からご寄付をいただきました。昨年9月、志学館一期生の同級生で現役合格したある大学生が志学館を訪ねて来てくれ、「夏休みにアルバイトをして貯めたお金の中から寄付を持ってきました。少ないですけど役立ててください。私は受験の時、志学館が設立されることになったので、もしチャレンジしてだめだったら志学館にお世話になるつもりでした。私の挑戦を後押ししてくれたのは志学館です。そのお礼に寄付をさせてください」と申し出てくれたのです。志学館は目的の一つとして、「現役生のチャレンジを可能にする」を掲げていますが、このような形で答えてもらえたことに感動を覚えました。

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 感動的な話です。志学館」をこのような目で捉えてくれた生徒がいたことが嬉しいですね。先日も授業に行っていた日に、今年の春、大学に合格して巣立っていった第一期生の女生徒が訪ねてきてくれて、アルバイトで貯めたお金を役立てて欲しいと寄付をしてくれました。この生徒は毎日、倉吉から米子へ通学し(「学割」が適用されないので通学費もとんでもなく高くバカにならない)、英語の大好きな女生徒でした。有り難いことです。こうしたたくさんの方々に支えられながら、志学館」が運営されています。最近は、『朝日新聞』にも大きく取り上げられ、全国の注目を集めました。⇒コチラです   現在は39名が学んでいます。私は週に3回、松江から通っていますが、実に楽しく授業をさせてもらっています。「志学館」のホームページも開設されていますので、ご覧になってください。⇒コチラです   ♥♥♥


【追記】 代々木ゼミナール藤井健志(ふじいたけし)先生が、2018年の鳥取大学の後期の小論文入試問題「現代社会では、経済的格差や社会的孤立の広がりの中で、様々な形で社会的に排除された人々が生み出されている。そこで、地域社会において実際に生じている社会的排除の事例をひとつ取り上げるとともに、その問題の克服に向けて求められる社会的包摂のあり方について論じなさい。(800字以内)」に対する「模範解答・解説」を、『代ゼミ新小論文ノート2020』(2019年7月)に書いておられます(生徒が偶然見つけて、館長に連絡してきました)。その中で「勝田ケ丘志学館」を取り上げていただきました。

▲代ゼミ 藤井健志先生

(中略) このような問題の克服のヒントになるのがこの春から鳥取県に開学した「校内予備校」だ。自分の財を原資にしてでもという情熱を持った元教員を中心に協力者や寄付金を募り、県立米子東高校敷地内の同窓会館を利用して、地域の高卒生ならば誰でも学べる、画期的な学びの場を創り出したという事例だ。隣県島根県の教員OBの方々も協力することになったらしい。一つの高校の同窓会やPTAが主体になりながらもその枠組みに縛られず、都道府県の境さえも越えて連帯するかたちは行政に押し付けられるのとは違う新しい公共の姿である。官・民といった区別を越えて地域の人間が共に主体となって考え、行動するところにこそ、特定の人間を排除することのない重層的で懐の深い社会的包摂が実現するのだと私は考える。

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