今日できることを明日に延ばすな

 英語に、Never put off till tomorrow what you can do today. (今日できることを明日に延ばすな)という受験でも頻出の諺があります。「今日の一針、明日の十針」も同様の意味でしょう。つまり「今日できる時に一針でも作業を進めておけば、明日やる十針に匹敵するよ」ということなんですが、真意はもっと深いものがあります。その真意とは「明日という日は、どんな用件が突発するかもしれない。そして、やろうと思っていてもできないかもしれないじゃないか。だったら、やれる時にやっておこう」ということなんです。

 もう少し分かりやすい例を挙げましょう。私がまだ若い頃の大学生によく見られたことなんですが、カセットなどを教室に持ち込んで、教師の講義を録音する学生が結構いました。彼ら日く、「後で聞くためだ」と。だが実際、後で聞いて勉強する学生はなかなかいないものです。自ら講義の時間に出席しているのなら、その場できちっと聞けばいいのです。ところが、こういう学生は、精神の集中力も希薄、というのが通り相場で、講義の時間はコミック雑誌を読んだり、居眠りをしているのです。そして「録音して後で勉強する」と言葉だけは殊勝なことを言います。では本当に後で勉強しているか?検証のために彼の部屋を見てみるといいでしょう。彼の部屋のどこかに録音したテープが山積みされているものです。そして、「聞くつもりだったが、いろいろと事情があって聞くヒマがなかった」と、彼は弁解するのです。こうした学生で、成績のいい者は皆無に近いのが実態でした。こういう口だけの日本人を、海外では、“NATO”(No Action Talking Only)といって揶揄され、皮肉交じりの批判を受けているといいます。

 今からずいぶん前に、当時日本電産社長の永守重信(ながもりしげのぶ)さんの、『人を動かす人になれ!』(三笠書房)を読んだ時のことが忘れられません。印象に残ったり、感銘を受けた箇所だらけで、本が赤ペンで真っ赤になってしまいました。昔から、「情熱、熱意、執念」 ②「知的ハードワーキング」 ③「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」が、同社の三大精神となっています。永守さんはこんなことも述べていましたね。私は永守さんの大ファンで、かつて日本電産が行っていたユニークな入社試験のことを調べたことがありましたっけ。⇒コチラに詳しく書きました

 私は「運」の活かし方には公式があると思っている。その代表的なものが本書で繰り返し述べていこうと思う「先憂後楽」の精神だ。目の前にいくつも仕事が山積みになっている。できれば明日に回してしまいたい。そこで、楽をとればやはり大きなチャンスを逃してしまうことになるだろう。

 そんな永守さんが「日本の大学は50年前の教育をしている!」と断言して、大学まで作ってしまいました。京都先端科学大学」です。2018年に理事長に就任するや、他大学とは段違いのスピードと情熱で、改革を進めておられ注目されます。理事長の永守さんから高校生へ向けてのメッセージです。♥♥♥

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