「グランドパレス」半世紀の歴史に幕!

▲若い頃竹林 滋先生と

 20代の頃、生まれて初めて東京に行きました。研究社『ライトハウス英和辞典』の編集のお手伝いをすることになった打ち合わせに、飯田橋にある(株)研究社、そして東京外国語大学竹林 滋先生の研究室を訪ねました。この時に初めて泊めていただいたのが、九段下の高級老舗ホテル「グランドパレス」でした(1972年開業)。こんな高級なホテルに泊まったことなどなかった田舎者の私には、見るものすべてが驚きでした。当時で朝食が3,000円だったと思います。外国人のお客さんが多かったように記憶していますが、レストランでは、ウェイターさんが注文を取りに回る際に英語、フランス語、ドイツ語を駆使しておられる姿は驚きでした。松江ではおよそ考えられない光景でした。立地もよく、靖国神社・日本武道館・東京ドームもすぐすばにあります。周辺には大学も多く、専修大学、日本大学、二松学舎大学、法政大学、東京理科大学、日本歯科大学、東京家政大学、大妻女子大学、共立女子大学は、歩いて行けます。

 その「グランドパレス」が、6月いっぱいで営業を終了するといいます。新型コロナウイルスによる利用者減で、2020年12月末に、2021年6月末での営業休止を公表しましたが、2度目の緊急事態宣言などで予約キャンセルが相次いだうえ、感染の長期化で業績回復も不透明なことから営業終了を判断したとのことです。半世紀にわたるホテルの歴史に幕が下ろされることになりました。エーッ、あの老舗ホテルが…?、とショックな報道でした。新型コロナウィルスの影響はこんなところにも出ているんですね。

▲ホテル「グランドパレス」の入り口にはこんな滝が流れている

 1月はホテルの稼働率が1割弱に落ち込んでいました。今後、老朽化施設の改修が必要なことも重荷になりました。ホテル「グランドパレス」では、これまで長年にわたって多くのお客様にご愛顧いただいてきたホテルの営業を終了することは大変残念ではございますが、過去に類を見ない経営環境に陥っていること等諸事情をご賢察の上、何卒ご理解くださいますようお願いいたします」とコメントを発表しています。

 「グランドパレス」と言えば、私には思い出すことが二つあります。一つは、1976年~1988年&1996年と計14回にわたって、プロ野球新人選手選択会議「ドラフト会議」の会場に使われていたことです。大の巨人ファンの私も、毎年テレビ中継で見ていました。あのパンチョ伊東さん(当時はパリーグ職員)が司会を担当して、例の張りのある声で「読売 第1回選択希望選手…」と発すると、会場にはピーンと張り詰めた空気が漂っていたことを覚えています。そしてもう一つは、このホテルで起きた大事件「金大中拉致事件」です。1973年8月8日、韓国の民主活動家・政治家で後に大統領になる金大中氏が、当時の韓国中央情報部(KCIA)にエレベータで拉致されて、神戸から船で運ばれて、ソウルで軟禁状態に置かれ5日後にソウル市内の自宅付近で発見された、あの有名な事件です(不透明な政治決着で処理されましたね)。このことを知っていた私は当時、何度もそのエレベータで上ったり、下ったりしましたが、誰も誘拐してくれませんでした〔笑〕。この「グランドパレス」には、時代の歴史が詰まっていることを感じながら、営業終了のニュースをかみしめていました。😢😢😢

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