はだいろ?

 ファミリーマートでは、3月23日に発売したプライベートブランドの女性向けショーツなど3種類(各2サイズ)に、「はだいろ」と表記していたのは不適切だったとして、商品を店頭から自主回収しました。回収したのは、「コンビニエンスウェア」のブランド名で売り出した商品のうち、女性向けのキャミソールショーツタンクトップの3種類(サイズはMとL)。関西地区での潜行販売時には、「ベージュ」としていましたが、全国展開の際に、「はだいろ」に変更。担当者がひらがなにすることにより、幅広い世代に買ってもらおうと考えたためだったと言います。

 これに対して、人種や個人などで肌の色が異なるのに、特定の色を「はだいろ」とすることは不適切ではないか、という声が社員や加盟店から寄せられたために、出荷していた約22万5000枚を回収したとのことです。ファミリマートでは回収後、表記を「ベージュ」に戻して再び発売する予定だとか。同社の広報部は、「社内の認識不足があった。再発防止とチェック体制の強化に取り組む」と説明しています。

 私の世代では、子どもの頃、色鉛筆・クレパスや絵の具で「はだいろ」に塗るのはごくごく普通のことでした。ところが、1998年頃から「人種差別につながる」「肌の色とはこういう色なんだ」という先入観を子どもたちに与えかねない、などとして、見直しが始まりました。文具メーカーの「ぺんてる」では、同秋から「ペールオレンジ」に変更。「ペール(pale)」というのは、色について「薄い」や「淡い」を表す形容詞です。したがって、薄いオレンジ色を指します。三菱鉛筆、サクラクレパス、トンボ鉛筆では、2000年に「うすだいだい」としました。最近、日本語倶楽部(編)『その言葉、もう使われていませんよ』(KAWADE夢文庫、2021年3月)という、もはや旧く「死語」になった日本語(例:助教授・看護婦・スチュワーデス・父兄など)を数多く取り上げ、その背景を解説した面白い本が出ました。この本の中にも、この「はだいろ」が取り上げられています。

 さてそれでは、英語では「はだいろ」のことは一体何と言うんでしょうか?クレヨンや色鉛筆にある定番色の「肌色」なら、beige、flesh color、peachなどの呼び方があります。beigeは「ベージュ」ですね。一般に日本人が想像する「肌色」と比較すると、やや茶色っぽいかもしれません。fleshは元来は「肉」の意味で、flesh colorは「肉の色」、語源からすると肌色に一番近い表現ですが、欧米人(白人)の肌の色ですので、日本人が想像する肌色よりはやや薄くて赤みが強いです。ちなみに日本でも「肌色」という呼称が使われなくなったように、flesh colorという呼び名も差別的だという批判があったりするようで、最近は使わない傾向にあるようですね。peach colorという言い方もします。peachというとピンク色を思い浮かべてしまいますが、果肉の色です。もしかするとこの色が一番「肌色」のイメージに近いかもしれませんね。♥♥♥

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