「四隅の時間」

 尊敬する故・渡部昇一先生(上智大学名誉教授)が翻訳して日本に紹介されたアーノルド・ベネットの名著『自分の時間』(How to Live on 24 Hours a Dayの中に「四隅の時間」という言葉が出てきます。これは私なりに簡単に要約すると、トランクが荷物でいっぱいであると思っても、実際には四隅にわずかにすき間が生じており、小さなものなら押し込むことが可能なように、一分、一秒を大切にする気持ちがあれば、「1日」というトランクにも、小さな仕事をやる時間はいくらでもあるということです。そしてそれを実践するかしないかで、同じ24時間でも違った結果となって現れるということです。

 ベネットは、イギリスの小説家、作家、劇作家、評論家。20世紀初頭のイギリスで人気を博した小説家であり、『二人の女の物語』やクレイハンガー三部作などの「5つの町」シリーズの著者の他、フランス的な自然主義的作風でも知られています。また、小説以外にも人生啓発書なども発表しており、そのほかにも戯曲や映画のシナリオ等も手掛けました。

 この「四隅の時間」を意識するだけで、生活がずいぶん変わってくるというのが、私の実感です。私は朝ご飯を食べると、学校に行くまでテレビを見たり、なんかダラダラして過ごすのが嫌なので、「めざましテレビ」の大好きなお天気お姉さんのかやちゃん(阿部華也子)の天気・ファッション・ショー(?⇒私の紹介記事はコチラ)を見たら、その足で学校に向かいます。6時半から始業の8時半近くまで、誰もいない静かな学校の中で、教材の準備や計画作成に充てています。その間は必ず研究室にいることがわかっているので、生徒たちは質問や添削にやって来ます。月・水・金米子東高校にある予備校にバス・電車通勤しているのですが、ちょっと早めに自宅を出て、電車の時間まで30分から1時間を喫茶店でコーヒーを飲みながら、仕事に充てています。私が作る教材や本はすべてこうしたすき間時間を利用して作られたものなんです。電車も8時35分発は満員なので、10分遅い8時45分発のガラガラの電車の中で(⇒8時35分と8時45分の怪?」コチラ)、のんびりと新聞を4紙読むのが恒例です。早朝家で3紙読んで来るので、1日に7紙を読んで、気になった記事を切り抜いて保存しています。読み終えたら、趣味のカード(トランプ)を取り出して、指の動きがなまらないように訓練しています。エルムズレイカウント・ハーマンカウント・ジョーダンカウントなど、練習しないとすぐになまってしまうんです。ボケ防止にもなっていますかね。ちょっとしたすき間時間を利用することで、結構なことができるものです。今日の帰りの電車の中では、生徒の答案を採点していました。休みの日も、田和山の今井書店センター店まで電動自転車で行くのが恒例なのですが、10時開店前のちょっと早めに出かけて、喫茶店でコーヒーを飲みながら、抱えている仕事を片付けます。若い頃に故・竹内 均先生(東京大学名誉教授)から、15分のすき間時間の活用法(⇒私の解説はコチラ)を教えてもらったので、ちょっとした時間があるたびごとに、パソコンに向かってこのブログの下書きを打ち込んでおきます。今見たら1,251本の下書き原稿が打ち込まれていました。向こう約3年分のネタが打ち込んであるということです。すき間時間、恐ろしや!

 上で紹介したベネットの本を読んだときに、私の心に刺さった言葉が幾つかありました。さまざまな分野の知識を幅広く手あたり次第に吸収する時期をもったほうがよい。そうすれば、やがて内なる声が進むべき方向を自然に示してくれる」▶「もし原因と結果が両方ともどうしようもないことで、しかもあなたに責任がなければ、それをくよくよと悩むのは幼稚であり無益なことである。それを甘んじて受け入れ、めげることなく最善をつくすべきである」▶「それはもう、とにかく始めればいいのだ。魔法のような始め方など存在しないのだから」▶「ささやかなことから始めよう」▶「朝の1時間は夜の2時間以上の価値がある」▶「時間は無限の富を生む、実に不思議な宝物」▶「時間があれば金は稼げるが、金があっても時間は買えない」 良書はいろいろなことを教えてくれますね。♥♥♥

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