「西村鉄」?

▲一度読んだ作品も、文庫化されると再び購入して再読します。これも「西村鉄」?

 私は全国の特急列車を全て制覇したいという壮大な夢を抱いた「乗り鉄」でもあり、素敵な観光列車の写真を撮ってはひたすら楽しむ「撮り鉄」でもあります。最近5月、文庫化された西村京太郎先生『能登花嫁列車殺人事件』(光文社)の巻末「解説」の中で、文芸評論家の細谷正充(ほそやまさみつ)さんが、実に面白いことを言っておられました。引用してみます。

 鉄道ファンの数は多く、その楽しみ方も多彩である。電車に乗ることを楽しむ「乗り鉄」、電車を撮影する「撮り鉄」、鉄道関係の音を聴いたり録音したりする「音鉄」「録り鉄」・・・・。どこまで本当なのかは分からないが、数十種類に分類できるようだ。うん、それだけ細分化されているなら「西村鉄」があってもいいのではなかろうか。鉄道ファンで、なおかつ西村京太郎のトラベル・ミステリーを愛する人たちのことだ。主な目的は、物語の舞台や題材になった電車に、その作品を持って乗り込み、車中で読み耽る。まさに「西村鉄だ」。半分は冗談だが、半分は本気である。きっと、そんな行動をしている人がいるはずだ。JR西日本によって運行されている観光列車「花嫁のれん」に、本書と共に乗り込んだ「西村鉄」がいると信じているのである。(p.274)

 「西村鉄」!、まさに私のような人間のことです。私は2018年に出た光文社カッパノベルス版を読んで、ぜひこの観光列車「花嫁のれん」に乗りたいと思いました。そして昨年、日本一のお宿「加賀屋」(⇒私の紹介はコチラ)を目指して和倉温泉に行く際に、金沢駅(日本有数の世界的に有名な駅です。⇒私の紹介記事はコチラ)からこの観光列車に乗り込みました。作品に出てくるこの列車の描写部分は、マークをつけて車内に持って来ていましたので、それを参照しながら写真をパチパチ撮っていきました。紛れもなく「西村鉄」ですね。⇒私のこの観光列車の紹介はコチラに詳しく書きましたので、ご覧ください。

 以前、西村京太郎先生を湯河原にお訪ねした際に、先生の今までに乗られた列車の中で一番印象深いお好きな列車はどれですか?」とお尋ねしました。すると先生は、間髪を入れずに「やはり「雷鳥」ですね。あれ好きなんだよ。今は全部「サンダーバード」になっているでしょ。あれはちょっとね。残念だね。」と答えられました。以前のファンクラブ会報「TOTSUGAWA EXPRESS」にも、次のような先生の言葉が載っていました。

 『雷鳥九号』というタイトルが好きなんです。何号でもいいわけじゃない。なんとなく語呂がよくありませんか? 私は雷鳥という名前が好きだが、それを直訳したようなサンダーバードという名前は、どうしても好きになれなかった。もう少し細かくいうと、雷鳥の中でも、雷鳥九号という名前が好きだった。九という数字に、別に縁起をかついでいるわけではなくて、雷鳥九号という音が好きなのである。それが今は、なぜか雷鳥という名前が消えてしまって、サンダーバードだけになってしまった。残念で仕方がない。何とかならないものか。

 せっかく先生のこのお言葉を聞いても、残念なことに特急「雷鳥」は現在走っていませんので乗ることはできません。ただ「京都鉄道博物館」には車両の展示があるので、京都まで見に行ってきました。これが西村先生の最も好きな「雷鳥」です。先生は『雷鳥9号殺人事件』を書いておられます。⇒私の紹介はコチラ

 とは言っても、この特急の進化形の「サンダーバード」にも乗らないわけにはいきませんね。ということで、西村先生の嫌いな「サンダーバード」にも三度(京都―金沢、和倉温泉―金沢、金沢―京都)乗ってきました(⇒私のレポートはコチラ)。まさに「西村鉄」ですね。♥♥♥

 その「西村鉄」には、まことにもって残念なお知らせが先生から届きました。コロナ収束の見通しがつかないことから、湯河原「西村京太郎記念館」ならびに「茶房にしむら」の休館を続けるとのことでした。⇒私の記念館探訪記はコチラです  さらにはファンクラブの「会報」も休刊するとのこと。お詫びの意味を込めてでしょうか、「20年間の感謝を込めて」先生特製の「図書カード」が送られてきました(写真右)。先生の新刊最新情報は次の通りです。90歳を過ぎても健筆盛んです。この新刊の間隙を縫って、旧作品が次々と文庫化、再刊されていきます。これも全部制覇していく「西村鉄」の八幡でした。♥♥♥

3月  『十津川警部 四国土讃線を旅する女と男』(小学館)
4月  『石北本線 殺人の記憶』(文藝春秋)
5月  『SL銀河よ、飛べ!!』(講談社)
9月  『伊豆箱根殺人回廊』(祥伝社)
10月 『特急「志国土佐 時代の夜明けものがたり」での殺人』(光文社)
11月 『特急リバティ会津111号のアリバイ』(双葉社)
12月 『長野電鉄殺人事件』(徳間書店)

▲湯河原にある「西村京太郎記念館」 私は二回訪問しています

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