ぎっくり腰

 日赤心臓の精密検査を受けて帰った翌朝、激痛のあまりベッドの上で起き上がることができませんでした。寝返りも打てません。ちょっと体を動かすだけで激痛が走ります。歩くことなんかもちろんできません。30歳代の時にやった「ぎっくり腰」の症状です。ぎっくり腰」の痛みは、経験者でないとわからないほど辛いものです。ほとんどの人は激痛に顔をしかめ、その場で横になったまま動けないほど。何の前ぶれもなく突然起こるので、ヨーロッパでは「ぎっくり腰」のことを「魔女の一撃」といいますが、言い得て妙。まさにそんな感じです。日赤の心臓の放射線撮影で、腰を折り曲げたり、体を反らしたり無理な姿勢を30分ずつ2回もやったのが原因かと思われます。幸い心臓の方は何とか正常に動いてくれているようでホッと一安心でしたが。 

 一般にぎっくり腰は、重いものを持ち上げたときに起こりやすいと言われていますね。でも実際には、咳やくしゃみをしたとき、ベッドや布団からからだを起こそうとしたとき、顔を洗うとき、いすに腰かけて横や後ろのものを取ろうとしたとき、ゴルフや野球の素振りを軽くしたときなど、実にさまざまなケースがあるんです。日常のごく普通の何げない動作をしたときに、誰にでも起こりうるものなのです。ぎっくり腰は従来、急性の一時的な腰痛と思われていました。ところが適切な手当てをせず長引かせてしまうと、慢性の腰痛に進むケースが少なくありません。とくに中高年の場合には、しっかりケアをしないと再発しやすい傾向も見られます。さらにぎっくり腰をきっかけに、ほかの病気が発見されることもあるのです。それだけに、ぎっくり腰を起こしたときの対策や再発を含めた予防について、きちんと知っておくことが大切です。

 ぎっくり腰は、なぜこんなにも痛いのでしょうか?その理由の一つは、腰を支える靭帯(じんたい)や筋肉に急に過重な負担がかかり、断裂を起こし、それが神経を刺激するためです。ちょうど強い捻挫(ねんざ)を起こしたのと同じ状態なので、「腰の捻挫」とも言われます。しかし、痛みの原因はそれだけではなく、腰の中央に連なる椎骨の関節とその周りの膜(関節包)、さらに椎間板(軟骨)などが傷つき、神経を圧迫することからも起こります。人によって、また原因によっても異なりますが、こうした痛みが重なることで、強い痛みになるのです。中高年の場合には、加齢や運動不足のために腰を支える筋肉が弱くなり、腹筋と背筋のバランスが乱れていることも要因です。

 ぎっくり腰を起こすと、最初は動くことも立ち上がることもできないのが普通です。その場合には横向きに寝て、腰を丸めた姿勢をとると、チョットだけ楽になります。無理に体を動かすとかえって症状を悪化させかねませんので、自宅で安静にし、その後病院に行くようにしましょう。強い痛みが治まったら、お風呂で温め、靭帯や筋肉の緊張をやわらげます。温めると血行もよくなり、回復も早まります。私も二階から這うようにして降りて、お風呂に入ってジェットバスで患部を長時間しっかりと温めました。これがよかったみたいです。見違えるように痛みが和らぎました。かかりつけの整形外科に駆け込んで、大事には至りませんでした。ホッと一安心。

 「ぎっくり腰」を起こさないためには、こんな日常の動作にも注意する必要があります。♥♥♥

1. 朝起きるときには、すぐには体を起こさず、布団の中で横になり腰を丸めた姿勢をとります(胎児のような姿勢)。こうすることで、椎骨の間が開き、周辺の筋肉なども伸ばすことができます。

2. 顔を洗うときは、腰だけを倒すのでなく、ひざも少しだけ曲げてやります。これだけで腰にかかる負担がかなり軽減されますよ。

3. 床から物を拾ったり、物を持ち上げるときにも、必ずひざを曲げるくせをつけるようにしましょう。

4. 靴はウォーキングシューズが適していますが、普通の靴の場合には厚めの中敷を敷き、歩くときのショックを少しでも和らげるようにします。

5. いすに座る場合は、背当てに腰が付くまで深く腰かけるようにします。1時間に一度は立ち上がり、軽い屈伸運動(ひざを少し曲げる程度)で腰部の血流をよくすることを心がけましょう。

6. 急に伸びをしたり、腰をひねるような動作は控えましょう。伸びをすると腰がリラックスするように思えますが、あまり急に行うと反対にぎっくり腰を起こすことがありますから。

カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中