「特急やくも」終了!

 特急「やくも」は、岡山駅出雲市駅の間を運行している、伯備線を走るJR西日本の特急列車381系です。今年2021年3月のダイヤ改正で、JR東日本の名物特急「踊り子」が引退しましたから、現在日本を走る最後の国鉄系電車特急です。飛行機嫌いの私は、どこへ行くにもこの特急「やくも」のお世話になっています。現在は2010年まで20億円をかけてリニューアルした「ゆったりやくも」の車両が使われています。とはいえ、381系自体の製造年は1980年頃ですから、もう製造から40年以上が経過しています。鉄道車両においては40年は車両取り替えの一つの節目であり、常に高速での振り子運転を強いられる「やくも」も寿命が近づいているとも言えます。採用されている「振子式」は、カーブ区間を通過するときに車体を傾けることで遠心力を緩和し、速度を下げることなく乗り心地も損ねないようにした車体傾斜装置です。1973(昭和48)年に、曲線区間が多い中央本線の名古屋~塩尻間の電化にあわせて、名古屋と松本・長野を結ぶ特急「しなの」381系を投入。1978(昭和53)年には阪和線・紀勢本線の特急「くろしお」、1982(昭和57)年には伯備線の特急「やくも」でも381系の使用を開始しています。現在、後藤総合車両所所蔵の381系やくもはこれだけあります。

▲私の好きな「やくも」パノラマグリ-ン車両

●6両パノラマ付き車:2本  ※私が好きななのがこのパノラマ車両
●7両通常車両:5本
●4両通常車両:2本
●6両サブ編成:1本

 県外から私の授業を見学に来られた英語の先生方が、みな口を揃えて、伯備線の「やくも」には参ったとおっしゃいます。揺れがあまりにも激しいので、気分が悪くなる人が多い列車なんです。特急「はくも」などと揶揄されたりもする特急です。そもそも車両の洗面所に、「エチケット袋」(通称ゲロ袋)を常備しているのも、この「やくも」くらいでしょう(笑)。私はもう数百回乗って慣れっこになっているので、いくら揺れようが全く気になりません。へっちゃらです。

 さて、昨年11月に発表されたJR西日本の決算説明会の資料の中に、「「やくも」車両新製」とあったことから、2022年には381系は新しく製造される新型車両によって置き換えが行われる、ということになります。以前からささやかれていたことですが、いよいよ現実味を帯びてきましたね。

 ではこの「新型車両」とは、一体どんな車両になるのでしょうか?気になるところですね。予想してみましょう。鉄道ファンの間では、北陸新幹線で余剰が発生する683系特急「サンダーバード」「しらさぎ」)を転用・改造するのでは?という噂がずっと囁かれていました。しかし、今回の発表で「新製」と書かれていますから、この説はまず×です。次に、JR西日本が開発した特急の287系(特急「くろしお」)とその進化版271系(特急「はるか」)を基にして特急を製造するという説も流れています。確かに287系は同じ形式の381系である紀勢線の特急「くろしお」や、福知山線の特急「こうのとり」を置き換えた実績もあるので、有力ではあります。ただ難点は振り子式ではないということです。山間部のカーブ曲線の多い伯備線に対応できるのかという疑問・不安が残ります。

 今私が最も信憑性が高いと思っているのが、JR四国の車両である8600系の導入です。岡山~松山を走っている特急「しおかぜ」の新型車両ですね。⇒私の詳しい乗車レポートはコチラです  これは空気バネ式車体傾斜装置を搭載している車両ですから、カーブの多い伯備線にはもってこいです。さらに2017年には、伯備線(岡山~倉敷~備中高梁)内で走行試験運転も行われたことが報告されており、これが導入されてもおかしくはありません。いずれにしても、車両コスト、維持管理費、運用実績などを考慮した上で、近々決定がなされるのでしょうね。楽しみです。それまで最後の「やくも」を満喫しておくこととしましょう。♥♥♥

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