
二年間「共通テスト リーディング」の指導をしてきて、生徒たちの最も大きな悩みは「最後まで行かない!」という、時間不足問題なんです。最後の第6問をやっている途中で、制限時間の80分が切れてしまうのです。当然高得点は取れません。特に現役生にこの傾向が顕著に見られます(北高でも浪人生との平均点差が顕著です)。その原因の大きなものは三つあります。一つは「語彙力不足」です。英文を読む際に、知らない単語が出てきたら目線がそこで止まってしまいます。知らない単語の度に立ち止まっていたら、どうしても読むスピードは落ちてしまいますね。2秒で反応できなければその単語を覚えたことにはならない、というのが私の持論です。私は浪人生たちに、『LEAP』(数研出版)と『英単語の語源図鑑』(かんき出版)の2冊を用いて、今まで学習した語彙の上に、積み上げを図っています。今までに学習した単語群を、ネットワークで繋げてやることで定着を図り、語源を利用することで応用力を高めています。二番目が「形式への慣れ不足」です。今までの「センター試験」と異なり、複数の情報を統合して答える問題が多いですから、これに慣れておく必要があるのです。『共通テスト2022重要問題演習リーディング』(ラーンズ)に付属している「ナビゲータ-」冊子を使って、大問の特徴と迫り方を押さえた上で、演習を積み上げると良いでしょう。三番目は「時間配分の意識の希薄さ」です。「センター試験」の時よりも長文2題分は分量が増えているのですから、スピード感を持って読まないと最後までは終わりません。それには各大問をおよそ何分くらいで処理すればよいかを大雑把に頭に入れておく必要があると思います。全体のペース配分が重要なんです。個人差はあると思いますが、大雑把に次のような時間配分で順に解いていくと良いと思います。私は授業では大問ごとにタイマーをかけて、演習を進めています。
【解答時間の目安】 ※この順に解いていく
第1問 8分
第2問 14分
第3問 11分
第4問 13分
第5問 14分
第6問 20分
「センター試験」の時代は、予備校などで「大問を解く順番を変えれば何とかなる」などという小手先のテクニックがアドバイスされたこともありました。「共通テスト」ではそんな姑息なやり方は通用しません。読む絶対量が大幅に増えていますから。今述べた三つのポイントを克服しない限り、最後まで行くことはないでしょう。「英語がきちんと読めていれば解ける」という基本的な姿勢を忘れずに対策をすることが大切ですが、その際にも、「語彙力」、「形式への慣れ」、「時間配分」、この三つがポイントになってくると思います。♥♥♥
