not more than~

 先日の3年生「7月進研記述模試」に、次のような難しい文法問題が出題されました。

問6 Some people claim that English classes in elementary school should be small, consisting of (              ) 10 students.
1  no fewer than                                2  no larger than
3  not less than                                  not more than

この英文は「小学校の英語のクラスは、少人数でせいぜい10人で構成すべきだと主張する人もいる」という意味ですから、正解は 4 not more than(せいぜい、多くても)となりますね。なぜ2が誤りになるのかも難しい問題を含んでいますが、ここでは置いておきます。1年生の文法の授業の「比較」を扱ったところで、no more than/ not more than/ no less than/ not less thanの4つの熟語を学習しています。でもこれらをきちんと覚えている人がどれくらいいるでしょうかね?ほとんどの生徒が丸暗記ですから、覚えてもすぐ忘れてしまっていることでしょう。「どれがどの意味だったか忘れてしまったぞ!」というのがお決まりのパターンでしょう。そこには「理解」が欠けているのが致命的な欠陥です。

   ●no less than…「~もある」 =as many[much] as 

   ●not less than…「少なくとも」 =at least

   ●not more than…「多くても」 =at most

   ​●no more than…「しかない」 =only

まずは、簡単なこれから確認しておきましょう。

more than~」…~よりも多い、~以上(+)

less than~」…~よりも少ない、~以下(-)

という意味になります。これは知っている方がほとんどかと思います。ただし、日本語と違い「~は含まない」という点に注意が必要ですが、今は深入りしません。​

【noとnotの違いって?】

これらの熟語の意味を理解する際に、重要な意味を持っているのがこれです。​

【no>not】

no」という単語は、その後に続いている語を“完全否定”する性質があります。否定の意味合いが非常に強いため、「no ~」ときたら「~ではない(→むしろその逆だ)」くらいの強い勢いで否定します。これに対して「not」ですが、notの場合は「~ではない」、ただ漠然と「~ではない」という単なる否定の意味になります。

「no」…そのあとに続く語の完全否定。いや、とんでもない、むしろその逆だ、くらいのニュアンス

「not」…動詞の否定。良くも悪くも否定止まり。

​使用例をいくつか挙げてみますね。

(例) She is no poor.→「彼女は貧乏だ、いやとんでもない」→「彼女は実はお金持ちだ」くらいのニュアンス

(例) This is no hot.→「これは全然熱くない、いやとんでもない」→「これはむしろ冷たい」くらいのニュアンス

​(例)She is not poor.→「彼女は貧しくはないです」(単なる否定)

​(例)This is not hot.→「これは熱くはないです」(単なる否定)

​ 以上のことから、この4つの熟語の意味を考えてみましょう。すんなりと頭に入ってくるはずです。​

●The wallet has no more than 100 yen.「100円以上だって?とんでもない!」→(意訳)財布にはたった100円しかない。

●The wallet has not more than 100 yen.「100円より多くない、多くても100円どまりだ」→(意訳)財布にあるのは多くても100円だ。

●The wallet has no less than 100 yen.「100円以下?とんでもない!100円もある」→(意訳)財布には100円ある。

​●The wallet has not less than 100 yen.「100円以下ではない」→(意訳)財布には少なくとも100円ある。

notがついてるから…」や「noがついているからむしろ逆くらいの…」のように思い出しながら感覚をつかんでいってください!最後にもう一度要点だけをまとめておきましょう。

~それぞれの意味のまとめ~   

   ●no more than…「~しかない」←以上、とんでもない!(-)×(+)=(-)

   ●not more than…「多くても~」←以上ではない(-)×(+)=(-)

   ●no less than…「~もある」←以下、とんでもない!(-)×(-)=(+)

   ●not less than…「少なくとも」←以下ではない​ (-)×(-)=(+) 

 詳しくは、最近復刊された安藤貞雄『新装版 基礎と完成 新英文法』(開拓社)pp.303-304を参照してください。「理解を伴わない無意味なことよりも、理解された有意味なことのほうがはるかに覚え易いのである」とは、故・安藤先生の言葉です。私はずっとこの文法参考書を生徒に薦めてきましたが、残念ながら永らく絶版が続いていました。それでも、アマゾンの中古で、4,000円、5,000円も出して買ってきたという女生徒もいました。この度、開拓社より、復刊していただいて利用しやすくなりました。この優れた文法書の私の詳しい紹介記事はコチラをご覧ください。ぜひお手元に置いていただきたい私のイチオシ参考書です。♥♥♥

▲左が旧数研出版社版、右が開拓社の新装版

 
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