模試に違和感

 今年度に入ってから、何度も「共通テスト」模擬試験(リーディング)を受験してきました。模試を解く度に、一つ気になっていることがあります。まず問題用紙を開きます。最初のページの第1問題Aは、決まって携帯画面からスタートします。「またかよ!!」 確かに今年の本番の第1日程、第2日程ともに、スマホのメッセージ画面からの出題でした。しかし、これが来年も続くとはとうてい思えないのです。なのに模試会社は、判で押したように決まってこの形式を採用しています。第1問はスマホの画面、第2問は評価表、第3問は経路図、第4問は時刻表……何という想像力の無さでしょう。今年の本番の問題形式をコピーしているだけです。形式だけ揃えておけばいいんでしょ、ではあまりにもお粗末過ぎます。模試の会社によって、もっといろいろなバージョンがあっていいと思うのですが…。第1問AはCEFRのA1レベルの簡単な出題ですから、メモ、手紙、eメール、広告、説明書、案内メールなどを使って、英語の理解度を試すことができるはずです。問題は、模試の作問者たちが、今年の問題をどう分析し、来年度の「共通テスト」をどう予想しているか、というチームの「指針」が問われているのです。

 そうそう、尊敬する竹岡広信(たけおかひろのぶ)先生がいいことを言っておられましたよ(下線は八幡)。


 問題作成者の任期は2年と言われている。よって、初年度と2年目は同じメンバーが問題作成にあたると考えていいだろう。初年度に出した傾向を2年目で大幅に変えることはまずないと思われるため、2021年の問題形式にしっかりと慣れておくことが大切である。もちろん、若干のマイナーチェンジは行われるだろう。例えば、第1問Aは今年はスマホの画面での出題だったが、これと同じものが来年も出るとは思えないし、第4問の列車の時刻表についても同じことが言える。細かい問題形式に固執することなく、「英文が読めていれば解ける」という基本的姿勢を忘れずに対策をして欲しい。 ―『蛍雪時代』4月号 2021年(旺文社)


 私たちの最新問題集『共通テスト2022直前演習 リーディング』(ラーンズ)では、そこら辺を見通して、全編さまざまなジャンルの問題形式を収録しています。♥♥♥

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