現職教員時代に、ESSの活動や、授業の中でよくやったゲームに、「ダブレット」(doublets)があります。一つの単語から出発して、文字を一文字ずつ変えていき、別の目的となる単語にするパズルです。途中の単語(中継語)も、すべてちゃんとした単語でなければなりません。日本語で例を挙げてみると、「はたけ」から「たんぼ」を作ってください。途中の単語も、すべてちゃんとした意味のある単語でなければいけません。かつて熊本で行われたZ会「英語指導研究会」(2012年10月)で、私が先生方に実演解説をしたことがあります。まずは日本語でやってみましょう。
はたけ
↓
はたき
↓
はんき
↓
たんき
↓
たんぼ
といった具合です。これは、『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の作者ルイス・キャロルが考案したゲームです。退屈していた二人の娘のために考案したと言われています。本業は大学の数学教授・数学者ですが、言葉遊びや論理ゲームが大好きだったんですね。彼の書いた童話本を読むと、そのことがよく分かります。研究書もたくさん出ていますね。大学に入学して、指導教官から最初に与えられた課題は、ルイス・キャロルの本に出てくる「かばん語」を調べて報告するように、というものでした。あ~、懐かしいですね。
英語の例で考えてみましょう。FOUR(4)をFIVE(5)にしてください。
FOUR (4)
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FOUL (とてもいやな)
↓
FOOL (愚か者)
↓
FOOT (足)
↓
FORT (とりで)
↓
FORE (前面)
↓
FIRE (火)
↓
FIVE (5)
できましたね。こんな感じで作っていくんです。英語の語彙の勉強になるゲームです。途中相当の「語彙力」を要求されます。では3つほど宿題を出しておきましょう。(1)「tea(紅茶)をhot(熱く)してください。」 (2)「tears(涙)をsmile(微笑み)にしてください。」 (3)「head(頭)をtail(しっぽ)にしてください。」たどり着く方法(正解)はさまざま考えられますが、できるだけ最短を目指したいですね。やってみてください。♥♥♥