「あめつち」に乗ってきた!

◎人気列車がガラガラだった!?

 どうしたわけか、鳥取―出雲を走っている人気観光列車「あめつち」の切符が、松江駅「みどりの窓口」でいとも簡単に取れたので、乗ってきました。⇒私のこの列車の紹介記事はコチラです  日曜日ですよ。2両編成で松江駅の4番ホームに入線した「あめつち」に乗り込んでビックリ仰天!誰もお客さんが乗っていません!!一体どういうことだ?!あれだけ人気だった観光列車ですよ。後で、物販カウンターのアテンダントさんにお尋ねすると、新型コロナウィルスの影響で客足が伸びないとのこと。淋しいですね…」とおっしゃっておられました。でもおかげで、私は出雲市まで車両を独り占めして、じっくりと豪華な車内を観察することができました。今日はその乗車レポートです。

 「あめつち」=漢字では「天」と「地」と書きます。山陰地方を舞台にした神話が多く書かれている『古事記』の「天地(あめつち)の初発(はじめ)のとき」という書き出しに由来し、天と地の恵みに包まれる旅へと誘う列車名です。山陰ならではの、「古くて新しい日本」を発見してもらう旅を演出する列車となっています。2018年に登場した、山陰本線米子地区の観光列車です。車両デザインは、「ネイティブ・ジャパニーズ」というコンセプトで、山陰の自然や日本文化のルーツを体験する車両として、出雲市出身の映画監督・錦織良成さん、スタジオジブリ作品にも数多く参画している松江出身のアニメーション美術監督・吉田 昇さんの協力のもとで作られました。紺碧色と銀色を基調とした神秘的な佇まいです。

 車両の前面・側面に取り付けられたアルミ製削り出しのエンブレムは、「太陽」「神々」「白ウサギ」などがモチーフとなっており、製造は出雲市の㈱吉川製作所です。車体全体の「紺碧(こんぺき)色」は、山陰の美しい空や海を表現しています。全体をメタリックな色彩で仕上げ、神々しい雰囲気を表現しています。車体側面下部に「見られる「銀色」の帯模様は、山陰の美しい山並みと、たたら製鉄に因み、日本刀の刃文(はもん)を表現しています。車両前面の“おでこ”と、中央、車両側面に輝く立体的な「あめつち」エンブレムをもうちょっと詳しく見てみましょう。そのマークには、「天つ神々・太陽」「七つの八雲」「金鵄(日本神話に登場する金色のトンビ)」「山」「海」「白兎」「ワニ(サメ)」が描かれており、「神話の地を行く観光列車」らしいものとなっています。「天」に対して光の放射状の縦ライン、「地」に対して海の横ラインを対照的に見せるデザインです。モチーフには天つ神々・太陽、七つの八雲、金鵄(日本神話に登場する金色のトンビ)、山・海、白兎、ワニ(鮫)を使用していますね。

 キハ47系の気動車を改良した2両編成(定員59人)で、1号車が島根、2号車が鳥取をイメージした内装となっています。日本海側に向けたカウンター席と2人用のボックス席を設けています。私は島根の1号車のカウンター席でした(6-D)。机上に嵌め込まれているタイルは石州瓦。石見地方で生産されている粘土瓦です。でもよく見る赤褐色の石州瓦とはちょっと違います。これは出雲で取れる来待石だけのうわ薬を使用し、伝統的な技法で焼成したものです。昔の登り窯で焼いたような表情を実現しています。車内は、木目調のパネルを多用して、白木の質感を表現。 壁面には島根県産の隠岐の黒松、鳥取県産の智頭杉が使われています。1号車の壁面は豊かな日本海を表す青色、2号車は神々しい山を表す緑色を採用しています。床の色は山陰の山や日本海を表現しています。1人、2人、4人掛けの座席が用意されています。1号車には多目的室のトイレもありました。

 地元山陰の職人たちの工芸品が車内を彩ります。白木の質感を表現した木目調の空間(智頭杉、隠岐の黒松)、そして各所にある山陰の工芸品が目を引きます。1号車の壁に飾られた神話にまつわる絵柄が彫り込まれた島根県木の黒松(隠岐)は、光沢、色調が美しく味のある色合いを醸し出しています。2号車には、鳥取県産の美しい智頭杉で壁が飾られていました。

 天井には、因州和紙(鳥取県)を使った照明がランプシェードのように優しく光り(1号車と2号車で色が違う)、テーブルの一部分には石州瓦(島根県)の素材できたタイルが埋め込まれ、装飾のアクセントになっていました。また出入り口付近では、鳥取県の弓浜絣倉吉絣、島根県の安来織(伝統的な意匠に神話モチーフを組み合わせた)と出雲織(古事記に登場する簸川の流れや川霧をイメージ)が乗客を出迎えてくれました。似たような座席配置でも、1号車と2号車とでは異なる雰囲気を演出しています。

 車内では、山陰の豊かな自然の中で育まれた地産品や地元に因んだお食事、お飲物(要予約)などが提供されます。1号車の車端には、独特の色使いの「岩井窯」の手洗い器を設置した洗面台(うわ薬を含ませた刷毛を器に打ち付ける「打掛け」という技法で大胆かつ美しい模様)が、西尾絞りの暖簾を配した物販カウンターの所には、浜田の神楽衣装の飾り付けも。神話のエッセンスが散りばめられた内装です。

 宍道湖、斐伊川などの見どころや、雄大な日本海を望む車窓では、徐行運転をしてくれ、車内アナウンスによる観光説明とともに、山陰ならではの美しい車窓風景を存分に楽しむことができるように配慮されています。眺望がよいとされる乃木~玉造温泉間と直江~出雲市間(ヤマタノオロチ伝説の元ともされる斐伊川)では徐行して、乗客を楽しませてくれました。それ以外は70~80㎞と結構速いスピードです。この列車、鳥取駅~出雲市駅を4時間近くもかかるのは、途中あちこちの駅ですれ違いや、抜かされたりするために、結構駅で待つことも多いんです。停まっている時間が長いんですね。

 「あめつち」の車両をイメージした制服に身を包んだアテンダントさんが、食事の提供や車内販売を通してサービスをしてくださいます「天地御膳 世明」(2500円)、「大江ノ郷スイーツセット」(2000円)、「山陰の酒と肴の里」(2000円)、「松江の和菓子詰め合わせ」(2000円)を予約で求めることができます。2号車の「物販カウンター」では、飲料や限定記念グッズの販売が行われており、私は「どら焼き」「記念キーホルダー」を求めました。車内では詳しいパンフレット「あめつち手帖」をいただくことができます。売店やコンビニで買った弁当やビールを持ち込むこともできます。「持ち込み禁止」のJR四国の観光列車との違いがここなんです。車内では、松江市在住のシンガーソングライター・浜田真理子さんによるあめつち」をイメージしたテーマソングが、時折流れていました。

 「あめつち」の運転日は、基本的に土・日・月です。普通列車のグリーン料金はかかりますが、松江~出雲市間の料金はわずか1,350円と、とてもリーズナブルな値段で乗ることができます。これ、意外でしょ観光特急「瑞風」(みずかぜ)と比べるとケタ違いですね。めっちゃお安い料金です。みなさんに、一度乗ってみられることをお勧めしておきます。♥♥♥

【追記】 今日も偶然、米子駅で、上りの「あめつち」(鳥取行き)が入線してきました。ホームの向かい側から見るに、車内はガラガラです。ほとんど乗客がいません。まだコロナ禍の影響が続いているようですね。チケットを取るのは今がチャンスかもしれませんよ。全国の観光列車の苦戦が続いているようです。

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