「風に立つライオン基金」&澄和フューチャリスト賞

 東日本大震災が起きた当時、さだまさしさん(69歳)の友人が支援活動に訪れた東北で、100人ほどが身を寄せるとある避難所へ、パンを80個届けたことがありました。すると「皆に平等に配れないから受け取れない」と、固辞されたといいます。「責任者の方にとって、それはやむにやまれぬ対応だったでしょうが、『平等』のはき違えと感じました。その時私は、それでも“おなかがすいた人から食べればいい。傷の重い人から治療すればいい”、そう思ったんです」と、さださんは痛感しました。その後、さださんは仲間とともに公益財団法人「風に立つライオン基金」を作り、仲間たちと議論しながら、東日本大震災に限らず、さまざまな災害による復興再生の支援を、歌手活動と並行して続けることにしたのです。それはかつて1990年に噴火し、翌年大火砕流が発生した普賢岳で死者40数名を数えた故郷の大惨事に寄せたときのさださんの姿勢と、何もブレるところはありませんでした。「困っている人がいれば、自分なりにやるべきと思ったことを、できるだけやる。それが“平等”じゃないかと思ったんです。その積み重ねの先に、本当の平和な日々があるんじゃないかな、と信じて」  その普賢岳での大災害への鎮魂歌でもあった「奇跡~大きな愛のように~」の中で、さださんは「僕は神様でないから 本当の愛は知らないけれど  あなたを想う心なら 神様に負けない」と歌いました。彼の故郷である長崎は、歴史的にクリスチャンが多い土地柄で、さださん自身はクリスチャンではなくとも、地元の敬虔な信者たち隣人が、静寂の中でひたすら祈り続ける姿に、心打たれることが多々ありました。「長崎の被爆者の方々にも、クリスチャンは少なくなかった。だから、相手を恨んだり憤ったりする前に、二度とこういうことを繰り返さないように、との切実な祈りの心持ちが強かったように思います」  それは「神頼み」で他力本願なそれではなく、一人ひとりでは容易に克服できそうもない強大な壁を前にしても、それでも「平和」を希求するならば、「祈り」という崇高な行為には深い意味が宿る、そこに、さださんは一つの希望を感じたのです。「奇跡~大きな愛のように~」の中でさださんは、「大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい」と綴ります。なぜなら「どんなにせつなくても  明日は来る」と断言し、「あなた独りじゃない」と呼びかけ、終わります。「命を大事にするのは、それがあなただけの命ではないから。知っている人の命も、知らない人の命も、全部どこかでつながっている。だから、全部大事にしましょうよ、と。思えば、それが歌い続けるすべての源泉かもしれませんね」と。

 さださんが中心になって設立した「風に立つライオン基金」の趣旨は、次の通りです。

我々は、小さな『志』の集合体です。

我々は、災害に苦しむ人を支援します。

我々は、ささやかで偉大な活動を行う人を応援します。

我々は、大切なひとの笑顔を護るための「平和」について考え、活動します。

一人一人の小さな思いが、沢山の小さな生命を支えられることを信じます。

「風に立つライオン基金」はそのための組織です。

2015年夏  さだまさし

活動理念・ご挨拶

この法人は、国内外の僻地医療や大規模災害の復旧現場などにおいて、奉仕活動をする個人や団体に対し、物心両面からの支援を提供するための基金を設置します。活動の円滑化と継続性の確保を図るため、個人や企業、団体に対して寄附を呼びかけ、安定した組織運営を目指します。また、当該地域外からの人的支援が必要となる事態に備え、医療支援、復旧支援を実施する為の人員を広く募集し、 会員として組織します。
1.私たちは「いのち」や「平和」を守る為に奉仕活動や慈善活動をしている個人や団体に対し、細やかな援助をしていきます。
2.私たちは大規模災害などで被災した方々に対し大きな組織では目の届かない場所や人へ、ささやかでもぬくもりのある支援をしていきます。
3.私たちは金銭的、経済的支援だけでなく、人的支援を行うための組織作り、人材育成を行います。

 自分が受けた恩は、その人にそのまま返すんじゃなくて、自分が成功したことを自分ができる時にできる人に返すというやり方、これこそが「風に立つライオン基金」の思いです。さださんご本人が、この基金設立のきっかけと、これまでの歩み、そして今後の展望について語っておられる動画が公開されました。ぜひご覧ください。

 そのさださんが、「第6回澄和Futurist(とわフューチャリスト)賞」(主催・「一般財団法人澄和」)を受賞し、10月8日に東京都内で開催された授賞式に出席しました。同賞は環境保護、社会貢献、非戦・平和関連など「未来へ共感の和をつなぐ」活動に取り組む個人、団体に贈られるものです。今回はさださんと、再生紙を使ったシェルターなどを作って被災地支援を行う建築家の坂 茂氏(64歳)、高校生平和大使の生みの親である平野伸人氏(74歳)が受賞しました。

 さださんは、「数多くの名曲を生み出し、半世紀近くにわたり幅広い世代の心を癒やし、和ませ、励ましてきた」が受賞理由です。1987年からのべ20年間、8月6日の広島原爆の日に、同じ被爆地の故郷、長崎県で無料コンサート「夏、長崎から」を開催し、平和を訴えてきました。東日本大震災復興支援や、さらに多くの災害支援、医療支援を精力的に継続している「風に立つライオン基金」などの活動が評価され、今回の受賞となりました。「今まで自分が特別なことをしてきたとは思いませんが、音楽は平和の象徴。こんな素晴らしい賞をちょうだいするということは、思っていませんでした」と感謝を語りました。

 澄和の村石久二理事長(77歳)=スターツコーポレーション代表取締役会長=から記念盾を贈られたさださんは、スピーチで「音楽は平和の象徴。世の中の平和がかき乱されるときに、まず音楽の自由が奪われるので、音楽の現場を守るためにこれからも頑張りたい」と平和の意義を語り、「褒められたくてやっているわけではありませんが、褒められると、もっと頑張らなきゃいけないなと思います」と意欲を新たにしました。その後、村石理事長からのリクエストに答えて、ギターの弾き語りでヒット曲の「案山子」「無縁坂」を披露しています。「第69回日本エッセイスト・クラブ大賞」の受賞に続き、おめでとうございます。♥♥♥

 

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