『成しとげる力』

 日本電産の創業者である永守重信(ながもりしげのぶ)さんが、およそ半世紀前に同社を創業したとき、周りの人たちは家族から親類まで含めて、ほぼ全員が反対したといいます。しかし、小さい頃から社長になることを夢見てきた永守さんは、荒海に舟を漕ぎ出すがごとく、たった4人で創業を宣言しました。そして今や、日本電産「世界No.1のモーターメーカー」として知られる大企業となりました。今もっとも勢いに乗る「経営のカリスマ」が、その経営哲学のみならず、人生を生きる上で大切なこととは何なのか、これからの「人生百年時代」をどのように生きていけばよいのかを語り尽くした渾身の一冊が、『成しとげる力』(サンマーク出版、2021年11月)で、ベストセラーとなっています。最高の自分をつかめ! 悔いなき人生を歩め!いまもっとも注目される「カリスマ経営者」が語る、渾身の人生哲学。およそ半世紀前、たった4人で立ち上げた会社は、今や従業員11万人を超える「世界一の総合モーターメーカー」に成長しました。類いまれなる経営手腕と行動力で、つねに実業界を牽引し続ける著者が23年ぶりに書き下ろした自著がついに刊行されました!種を蒔かないと花が咲かないように、成功するためには、挑戦する分母を増やす必要があります。その「種」の中身が語られ、その一つ一つが心に刺さります。

▲今井書店に平積みされた『成しとげる力』

  人生とは、苦楽が交互に織りなすものです。人生にはよいことと悪いことが同じだけやって来るのです。そして多くの苦しみを経験したあとには、必ず大きな喜びがやって来ます。そして、大きな苦難を乗り越えた人にこそ、より多くの幸せが待っています。 したがって困難や逆境の中にいるときこそが、飛躍のチャンス、だから、けっしてそこから逃げてはなりません。どんなに強い逆風であろうと、敢然と向き合い、それを乗り越えていくことです。 困難は必ず解決策を連れてやってくるという永守さんの信念が印象的でした。困難がやって来たということは、解決策も一緒にやって来るということです。だから、逃げずにその困難にしっかりと向き合い、解決策をつかみとることです。誰でも困難に真正面から対峙するのは怖い。目の前に立ちはだかる屈強な敵に丸腰で立ち向かうようなものですから。しかし、「困難さん」は必ずポケットの中に、解決策を忍ばせてやってくるものなのです。だから真正面から対峙し、がっぷり四つに組んで、ポケ ットに手を突っ込んで、解決策を奪取する必要があります。厚い壁にぶち当たったとき、その壁を打ち破るか、乗り越えるかしなければ、前に進むことはできません。しかし、一度経験した困難は確実に血肉となり糧となって、それ以降の成長を支えてくれるものなんです。

成しとげる力

 

 「神は乗り越えられない試練は与えない」と言われます。「試練」は必ず「解決策」を連れてやってくる、ということです。どんな時でも、どんな苦しい場合でも、愚痴は言わない、参ったと泣き言を言わない、何か方法はないだろうか、何か方法はあるはずだ、周囲を見回してみよう、いろんな角度から眺めてみよう、人の知恵も借りてみよう、必ず何とかなるもの 。なぜなら打つ手は常に、無限にあるるから。努力をしない人がグチを言う。試練に対し、何か解決策はあるはずだ、と思う人はとにかく行動する。動き回り、探し回り、仮説を立て、やってみる。そして、もしうまくいかなかったら、それをうまくいくまで修正し続ける。困難にあったら…「打つ手は無限」と、解決策を見つける人でありたい。

 いつぞやJR九州会長の唐池恒二(からいけこうじ)さんの本を読んでいて、参考になる話がありました。宇高連絡船の航路の経営にあたっておられた大嶋良三さんから、操船の極意について教えてもらったことがあったそうです。海で嵐に出くわした時の操船方法についてです。押し寄せる高波に対して、船首を真正面に向けると船は転覆しません。5万トンのタンカーでも10トンの漁船でも、これは変わらない鉄則です。どんな大きな波が来ても船が正面から向かっていくなら沈没はしません。高波に対し、船首を横に向けたり、波から逃げようと後ろ向きにしたりすると船は転覆します。どんな最新鋭の機器を積んだ大型船でも横波や追い波に抗する力はないのです。この教訓は人生や仕事にも通じることです。難局にも逃げずに真正面から立ち向かうと必ず解決する。いやな仕事から逃げたり、やっかいな仕事を直視しなかったり後回ししたりすると、余計に問題が大きくなって取り返しがつかなくなるのです。「難局に直面したときには、逃げずに正面から立ち向かう。」という教訓ですね。私も若い頃から、この精神で頑張ってきました。

 私は若い頃から、永守さんの本でいろいろなことを学んで来ました。⇒私の紹介記事はコチラです  常に一番を目指し、そのために人の倍以上の努力を惜しまない。永守さんといえば、朝7時前に出社し、22時過ぎに退社、元日の朝以外は365日休まないというモーレツな働き方をする経営者として有名でした。社員にもハードワークを求め、「休みたいなら辞めればいい」と発言して、日本労働組合総連合会から名指しで批判されるなど、近年の「働き方改革」重視の風潮とは真っ向から対立する存在でした。その永守さんが、今は「残業をゼロにする」と宣言し、働き方を大幅に改革しておられます。時代の要求に永守さん自身が立ち上がったのです。

 永守さんが社員に伝えている日本電産の仕事の原則「すぐやる・必ずやる・出来るまでやる」という言葉を、若い頃に著書で読み、学校教育の世界でも共通する普遍的な原則と思い、生徒たちに紹介してきました。「できない理由ではなく、どうすれば出来るかを考える」ことが大切です。しかし現実は、真逆の「後でやる・できればやる・出来なかったらあきらめて止める」になっていることが多いようです。コチラもご覧ください。日本電産がここまで大きくなった秘密がこの本には詰まっています。♥♥♥

▲この本も参考になる。永守さんの大学設立への思いが……

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