岡山「丸善ジュンク堂」

 今から43年も前の思い出を少し。島根県立平田高等学校で、教員なりたての頃は、8万円ちょっとの月給で、毎月5,000円ほど本を買うのがやっとでした。平田市にある「小村書店」という小さな本屋さんから、毎日学校に配達してもらっていました。ボーナスをもらうと、親戚のあった岡山市「丸善」「紀伊國屋」に出かけては、島根県では手に入らない洋書類をどっさりとまとめ買いして帰ったものです。忘れられない思い出があります。ボーナスを懐に岡山「丸善」で洋書漁りをしていました。すると棚にR.W.McCoard, The English Perfect : Tense-Choice and Pragmatic Inference. (1978, Amsterdam)という、オランダから出ている面白そうな研究書を見つけました。めちゃくちゃ値段が高くて(当時1万5千円ぐらいした)買おうか買うまいかずいぶん購入を迷いました。何度もレジに持って行こうとし、後の生活も考えて、いや高すぎる、と棚に戻したり、取り上げたりを繰り返していました。迷った挙げ句、思い切って買って帰りました。面白くて、なめるように読みました。中でも注意を引いたのが、英語の副詞recently latelyの意味上・統語上の違いについての記述でした。この本で、イリノイ大学R.Stockという教授が、この問題を深く掘り下げておられることを知り、アメリカから同大学の図書館から論文を取り寄せて勉強しました。その成果は、私の「LATELYとRECENTLYは同義か」『英語教育』2(1980年、大修館)という論文にまとめられることになりました。この二つの副詞の使い方は、実にやっかいな問題を含んでいるんです。決して、recently(最近) = lately(最近)などという安易な扱いはできません(現場の単語集の多くがそれで済ませていますが)。生徒たちにはここまで細かな区別を教える必要はありません。ただ、日本語でも「最近」「近ごろ」を使って両者がイコールではないことに気づかせておけば、recently latelyの違いがよく分かるんです。興味のある方はご覧ください。

・「LATELYとRECENTLYは同義か」八幡成人 『英語教育』2月号 1980年 ⇒コチラで読むことができます

▲丸善ジュンク堂の語学書売り場

 先日も、岡山市に出かけてきました。NTTクレド2階の「紀伊國屋」にまず行ってみましたが、ここは昔のように本がありません。洋書も扱いを止めています。1冊も買わずに店を出ました。岡電の最新車両に乗って城下前で下車して、「丸善ジュンク堂」に入りました。ここは洋書の扱いもあり、かなりの品揃いです。でも2,3の欲しい本は品切れでした。私の興味のある英語学の専門洋書は今はもうほとんど置いてありません。それでも松江では手に入らない和書がここには全部ありました。その点、私が津和野高校に勤めている時に博多に出かけて寄る(3年間で37回!!)福岡「ジュンク堂」では、欲しかった本がなかったことは和書・洋書を問わず一度もありませんでした。すごい品揃いでした ね。もう久しく博多に行っていないなあ~。♥♥♥

▲岡山「丸善ジュンク堂」で仕入れてきた本。お正月に読みます。

カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中