正直に

 新年明けましておめでとうございます。昨年中はお世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いします。みなさんのご多幸をお祈りします。

 昔の「修身」の教科書(三年生)からの引用です。

正直
 ある呉服屋に、正直な丁稚(でっち)がおりました。
 あるとき、客の買おうとした反物に傷のあることを知らせたので、客は買うのを
やめて帰りました。主人は大層腹を立て、すぐに丁稚の父を呼んで「この子は自分
の店では使えない」と言いました。父は自分の子のしたことはほめてよいと思い、
連れて帰って他の店に奉公させました。
 この子はその後も正直であったので、大人になってから立派な商人になりました。
それにひきかえて、先の呉服屋はだんだん衰えました。

 昔はデパートのような大規模な店舗はなく、街中の商店街を庶民は利用していました。そんな小さなお店だと、中にはインチキ商品を売る店や、ボッタクリ商売をするような店もあり、大なり小なり誤魔化しのような商売が横行していたのです。上のような「反物に傷があるのでお安くしておきましょう」という店は長続きするだろうし、「まあ、このくらいの傷だから誰も気づきはしないだろう。そのまま定価で売ってしまえ」という店は、やがて客の信用を失い潰れてしまうことでしょう。正直に商売しているお店というのは、お客の立場からすれば安心して利用することができます。日本には創業200年以上も続いている「老舗」(しにせ)と呼ばれる企業・商店・料亭・旅館が、約3,100社存在しており、世界全体総数の半数以上を占めるとのことです。正直に生きていれば長く商売を続けることができます。まさに日本の正直度を表した数字として世界に誇るべきでしょう。

 私の大好きだったプロレスラー、故・ジャイアント馬場さんの誠実な人柄がいまさら偲ばれます。あの鉄人・ルー・テーズが、「馬場さんはプロモーターとしても優秀で、契約した金は必ず払ってくれる誠実な人だった。これはこの業界ではとても大切なことで尊敬に値する」という追悼コメントを『朝日新聞』に寄せていましたが、これは、お金にいい加減なこの業界の核心部分を突き、かつ経営者たる馬場さんの実像を端的に表した言葉と思っていいと思います。

 たとえば、オレの場合は、自分でできる約束しかしない。できる約束かどうかを見極めて、できない約束はしないことにしてるね。できない約束なんて約束じゃないと思うな。だから、変な話かもしれないが、人と待ち合わせの約束をしたら、絶対に相手を待たせないとかね。お金に関しても同じで、払えない金額をいくらいってもしょうがない。相手を裏切ることだし、結果的には信用をなくしてしまうからね。
 やっぱりね、人生で一番大事なのは人間関係だろうな。自分で決めたルールではないが、自分から他人をだましたことはない。だますよりだまされた方がいいよ。だますヤツには魅力はないけど、だまされるヤツには魅力がある。オレが思うには、絶対に他人にだまされないヤツって、よっぽど警戒心が強く、猜疑心が強いヤツでね。そんな人間に魅力は感じないね、オレは。これはオレの性格なんだろうね。裏切られたらオレは、その人間を許さない。性格上そんな人間とは二度と付き合いたくないからね。別に潔癖症ではないけど(笑)。さっき言ったように約束したらきちんと守るといったようにね。できない約束ならしない方が楽だとオレは思うしね。 (馬場さんインタビュー、下線部は筆者)

 私は英語の教員で、市河三喜教授(いちかわさんき、東京大学英文科)の著作にはずいぶんお世話になりました。その市河教授は、若い頃にイギリスに留学をなさいました。その時に、オックスフォード大学から20巻からなる大辞典(OED)が出版され、先生も購入なさいました。20巻という膨大な大辞典だけに編纂には何年もかかっており、辞典に掲載することが間に合わなかった単語も沢山あったために、購入した際に、「20巻を購入した人には補遺編を無料でさしあげますから」と本屋の主人に言われたのだそうです。数年経って、市河先生は日本に帰国なさいます。補遺編のことなどすっかり忘れていたそうですが、イギリスの本屋は購入者を全部追跡して、なんと日本にいる市河先生にまで補遺編を送ってきたそうです。紳士淑女の国、イギリスでは「嘘をつかない」ことが美徳とされており、文化・経済の面で世界の最先端を行っていた「古き良き時代」のイギリス(今は?)では、高い道徳観が浸透していたことが窺えます。

 「正直に」生きたいものです。私は今までにだまされたことは何度もありますが、人をだましたことはありません。「正直に」をモットーに気持ちよく生きて行きたいと思っています。「損得」ではなく、「尊徳」に生きたいと思っているんです。♥♥♥

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