英語の力をつけるために、とにかく辞書を引かせます。最近の英作文の授業で、Asianという単語が出てきました。Asianは、一般に辞典・単語集では「アジアの;アジア人の」という文字通りの意味しか載っていませんが(例えば『アクシスジーニアス英和辞典』『ワードパワー』)、イギリスとアメリカでは、この言葉から連想される意味は異なっています。アメリカでは、日本・中国・韓国・ベトナムなどの東アジア人や東南アジア人を連想する人たちが多いようです。しかしながら、イギリス人が思い浮かべるのは、インド・パキスタン・バングラディッシュ・スリランカといった南アジアの旧植民地の人たちです。英連邦諸国出身の皮膚の色の黒い人たちです。そのことはスティーブ・モリヤマ『イギリス英語は落とし穴だらけ』(研究社、2016年)にも、はっきり出ています。授業では、『ライトハウス英和辞典』(第6版)を引かせて、「《参考》 Asianはしばしば《米》では東アジア(日本・中国・韓国など),《英》では南アジア(インド・パキスタン・バングラディッシュなど)を指して用いられることがある」という注記に注目させます。どこかでこの知識が役立つはずです。
当時、東京外国語大学助教授であった竹林 滋(たけばやししげる)先生が中心となって、教え子たちが集まり、恩師である岩崎民平先生の喜寿のお祝いにと作って差し上げたのが『ユニオン英和辞典』(研究社、1972年)でした。その後『ユニオン英和』は、1980年に『ライトハウス英和辞典』と改称して発売されました。我が国初の高校生用学習辞典ということで、初版は何と60万部も売れたんですよ。当時、私は島根県立松江南高等学校で教えていましたが、新学期の4月当初に現物が生徒の手に行き渡らず、「引換券」を発行して、その券を今井書店に持ってきた者だけに商品を渡すという人気ぶりだったことが忘れられません。以来、現在6版を重ねています(現在7版準備中)。『ライトハウス英和辞典』は、基礎の確認から入試対策まで、「発信」にも役立つ学習英和辞典です。基礎から入試までに十分な約7万の語句を収録。会話や作文に役立つ用例・成句を多数収録。重要な名詞と動詞の結びつきを「コロケーション」欄にまとめて表示。相手との関係・場面に応じて適切に英語を話すためのキーワードを解説。語源から単語の意味を覚えられる「単語の記憶」欄を強化。大学入試問題の分析に基づいた重要ポイントの表示。「語法」「用法注意」などの解説や、基本会話表現・文法解説・発音解説などの付録も充実しています。
〈主 な 特 色〉
★収録語句約7万。時代を反映する新語・新語義も積極的に収録。
★会話や作文に役立つ用例・成句を多数収録。重要な名詞と動詞の結びつきを「コロケーション」欄にまとめて表示。
★New! 「コーパスで学ぶコロケーション+1」
コーパスの分析に基づき、日本人には思いつきにくいが頻度の高い、英語発想の表われたコロケーション・フレーズを紹介。
★New! 「コミュニケーションの鍵―ポライトネス」
相手との関係や状況に応じた“丁寧で適切な英語”を使うためのヒントを、豊富な用例とともに解説。
★語源から単語の意味をまとめて覚えられる「単語の記憶」をさらに強化。
★大学入試問題の分析に基づき、重要な語法や発音・アクセント問題に頻出の語などにアイコンを表示。
★「語法」「用法注意」「日英比較」「類義語」などの解説が充実、多義語の意味が一目でわかる「語義の要約」「語義の展開」も好評。
★基本会話表現、文法解説、和英索引など、巻末付録も充実。
★発音とリスニングの基礎が身につく「つづり字と発音解説」。付属CDに実例を収録。
この度、この『ライトハウス英和辞典』の最新のパンフレットが出来上がりましたので、ぜひご覧ください。ここには、「圧倒的な「語彙力」を目指して」という私の「共通テスト」に関する論考が特集されています(写真下)。「ダウンロードサイト」にPDFで登録しておきましたので、興味のある方はダウンロードしてお読みください。タブレットの学習(来年度から島根県・鳥取県は新入生全員がタブレットを持って学習とか)や電子辞書の普及により、紙の辞典を引く機会が激減している現場です。やはり入門期から紙の辞典に親しませるという、「英語学習の基本」を忘れないようにしたいものですね。♥♥♥
・ 八幡成人「圧倒的な「語彙力」を目指して」『ライトハウス英和辞典』(第6版)最新パンフレット ⇒コチラとコチラで読むことができます
◎『ライトハウス英和辞典』最新パンフレット