「大和屋本店」

 昨年たまたま土曜日早朝に、TBS系「サタディプラス」を見ていたら、あの「妄想トレイン」(⇒この番組、私は大好きで毎週見ています。私の紹介記事はコチラです)で活躍する友近(ともちか)さんが松山・道後温泉を、とびきりのおにぎりの食材を求めて歩き回る、という取材をやっていました。彼女は、老舗旅館「大和屋本店」(やまとやほんてん)に、炊飯器を抱えてご飯を炊きに入っていきました。友近さんは若い頃に、この「大和屋本店」に、仲居さんとして勤めていたんだそうです。これは知りませんでした。

 TBSテレビで放映された十津川警部シリーズ「松山・道後十七文字の殺人」においても、このお宿が舞台となっていましたね。実は、私も数年前に、この「大和屋本店」に泊まらせてもらっています。私は旅行をする際にはいつも、教え子のいる「日本旅行」で、電車のチケットや宿の手配などは全部してもらうんですが、毎回その土地一番のお宿を取ってくれます。素敵なプランでいつも大満足なんです。それが今は新型コロナウィルスの影響で、松江駅のお店は長期間閉店してしまっています。旅の相談をすることもできずに困ってしまっています。

 当時を思い出してみました。とっても印象のいい旅館(ホテルといった方がいい?)でした。「大和屋」の創業は慶応四年、明治元年で1868年と古いんだそうですが、現在の建物は平成8年8月にグランドオープンし、鉄筋10階建てと大型です。建物の壁を聚楽壁にするなど、細部にわたって和の粋を生かした内装になっています。ロビーラウンジから見た中庭も、木の柱と障子とあいまって日本情緒を醸しだしていました。「和風旅館の原点回帰」を目標に、お客さんに和の情緒とホテルの機能的な快適さを楽しんでもらえるようにと心遣いがなされているようです。繊細な日本の美意識が漂う和の空間の中で、最高のおもてなしをしていただき、私は大満足でした。仕事を忘れて(いつも原稿の締め切りに追われているんですが…)ゆっくりとくつろぐことができました。私が泊まったお部屋にはマッサージチェアまで完備されており、温泉とともに観光の疲れ(「坂の上のミュージアム」「松山城」ヒガーさんのマジックバー「Backstage」などへとめっちゃ歩いたんです)をしっかり癒やすことができました。「豪華を求めず上品に」というキャッチフレーズがまさにうってつけの旅館でしたね。お料理、接客、お風呂、お部屋すべてにおいて大満足でした。まずは玄関入り口が素敵です。中に入ると美しい緑がお出迎え。広いロビーも和の作りで本当になごみます。お部屋まで荷物を持って案内していただいた仲居さんの接客態度など、本当に好感が持てましたよ。たとえば、お部屋に置いてある「冷水ポット」の心遣い一つとっても、お風呂上がりにどれだけ有り難かったか。浴室にさりげなくかかっている正岡子規の歌の額とか。 

 楽しみにしていた夜の食事も、器やしつらえにもこだわった見栄えのする和食料理で、瀬戸内の旬の食材を使った季節感のあるものばかりでとっても美味しかったです。しかも、食事をしながら「能舞台」を楽しむことができる、という豪華さです。西日本随一と評される本格的な野外能舞台「千寿殿」は、4階に張り出した屋上部分に設けられています。その舞台を鑑賞できるようにと、能舞台に臨む食事会場のレストランと宴会場は総ガラス張りです。もちろん、野外にも鑑賞席が設けられていました。能は夕食の時間に合わせてプロの能楽師によって上演され、道後温泉の夜を幻想的な雰囲気で彩っていました。「風姿花伝」の心を現代に伝えるもっとも分かりやすい形が、この能舞台かなあ~。この能舞台を堪能しながらの夕食の献立は、養老豆腐⇒前菜⇒湯葉豆腐の吸い物⇒お造り(鯛、鮪、蛸の湯引き)⇒豆乳鍋⇒鰆のポワレクラムソース⇒牛ヒレ肉の鉄板焼き⇒鱶の湯ざらし⇒ちりめんご飯⇒伊予の裸麦味噌仕立て⇒蕪付け盛り合わせ⇒デザート、でした。

 

 有名な「道後温泉本館」のすぐ隣で、徒歩1分のロケーションにも大満足でした。宿の湯殿も風情ある日本庭園を眺めながら、それだけ見ても和の趣が感じられるように配慮されており、心ゆくまで身をゆだねることができました。風格ある湯殿で極上のくつろぎの時間が流れたことです。お風呂の広さもちょうどよく、脱衣所は清潔だし、アメニティーも充実していました。私は翌朝も5時から湯殿を独り占めして楽しんでいましたよ。朝食は和食・洋食を選ぶことができました。前夜は、和食をいただいたので、朝は、洋食をチョイスしました。お世話をしてくださる和服の女性の方が、本当に上品で丁寧な接客で、気持ちよく朝ご飯をいただきました。チョットした言葉かけ一つでずいぶん美味しくいただけるんですよね。松江に帰ってからも、周りの友人たちに、この「大和屋本店」を薦めまくったのを思い出します。私自身も、次回道後温泉を訪れるときには、必ずここに泊まりますよ。道後イチオシの宿屋でした。仲居・友近さんの接待を受けてみたかったな~。♥♥♥

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