特急「やくも」新型車両に!

 老朽化が進んだ(製造から約40年が経過)特急「やくも」が引退して、新型の車両に置き換わることが予告されていました。私もこのブログで取り上げたことがあります。⇒コチラです  新型コロナウィルス禍前は、1日に上下線30本が走り、約4,000人の乗客を運んでいました。このコロナ禍で利用者の減少に対応して間引き運転で半減していたものが、最近は通常ダイヤに戻っていましたが、今月末からは再び間引き運転となります。特急「やくも」は、山陽新幹線の岡山開業に合わせて1972年3月に運行を開始しました。初代の車両は気動車の「キハ181系」、1982年の伯備線電化に合わせ2代目の「381系」電車が投入され、今回の新型で3代目になります。この引退で国鉄時代に導入された「国鉄型特急」JR西日本で全廃され、本州の路線からは姿を消すことになります。ちなみに「やくも」は、島根県東部の旧国名・出雲の枕詞「八雲立つ」にちなんで付けられた名前です。

▲JR西日本発表のイメージ図 よく分からない?

 去る2月16日に、JR西日本(西日本旅客鉄道)は、岡山―出雲市間(220.7キロを最速2時間57分で結ぶ)を結ぶ特急「やくも」用に新型車両「273系」を新開発すると発表しました(新型です!私はてっきり四国を走っている特急「しおかぜ」の車両が転用されるものと予想していました)。車両形式は「273系特急形直流電車」で、投入車両数は44両(4両×11編成)です。費用は地上設備の改修を含み約160億円、2024年春以降の運行開始予定です。現在の66両体制からは減りますが、最大で1日あたり上下30本程度の運行本数は維持できるといいます。

 中国山地を貫きカーブの多い伯備線を高速で走るため、遠心力を利用して車体を傾けて重心を安定させる「振り子式車両」の採用で知られる特急「やくも」、新型車両では、振り子式をさらに改良して揺れを減らし、乗り心地の改善を図ります。JR西日本鉄道総合技術研究所川崎車両と共同開発した「車上型の制御付き自然振り子方式」を採用します。振り子の制御装置にカーブの所在地データを搭載し、列車の位置データと照らし合わせながら走行し、車両を傾けるタイミングを精密にコントロールします。事前に仕込んだ走行地点のデータと実際に車両がとらえたカーブのデータを照合、車体を傾けるタイミングをカーブ通過と合わせられる様になるのです。傾き具合とカーブ通過がずれて、走行中に不快感が生じて乗り心地が悪く(特急「はくも」という不名誉なニックネームまでいただき、「ゲロ袋」(エチケット袋)まで用意されています)、「揺れが不快」「酔いやすい」との乗客の不満が今までは根強かったのです。こうした現行車車両の課題解消につながるとのことでした。この地図データを振り子式車両の乗り心地改善に活かすのは国内初です。発表されたイメージ図(写真上)を見ると、JR西日本287系271系と同様に高運転台の構造を採用しています。それにしても得体の知れないイメージ図だこと。近畿車両が製造する車両の詳細な仕様や詳しいデザインの発表は、今年の夏頃になりそうです。

▲よく似た271系 特急「はるか」

 サービスレベルや輸送品質のさらなる向上のため、防犯カメラの設置や車体の衝突安全対策、機器の二重系化、国内初となる「車上型の制御付自然振り子方式」の導入、座席間隔の拡大(現行の97センチから104センチの新幹線並みに)、座り心地を改善した座席の採用などの取り組みを実施した。さらに、車椅子スペースの拡大し、多目的室・車内Wi-Fi・全席コンセント・大型荷物スペースを設置、空気清浄機を搭載します。エネルギー変換効率に優れたVVVF制御装置、LED照明等による省エネ化で環境負荷の軽減を図るといいます。最高時速はこれまでと同じ120キロですが快適性を大幅に向上させるとのことです。JR西日本長谷川一明社長は、会見で「地域の方に愛着を持ってもらえる車両デザインや、グループ、家族連れなどに利用いただきやすい車内設備にしていきたい」と話しました。

 また、新型車両投入に向けて、伯備線で特急「やくも」の運転開始から50周年を迎える3月19日から、現行の381系1編成(6両)の車体塗装を懐かしい旧国鉄時代のベージュとえんじ色のデザインの「国鉄色」に塗り替えた「リバイバル運転」をする予定です。赤色とクリーム色のツートンカラーの車体は、「国鉄特急色」と呼ばれ、旧国鉄時代の特急の代名詞になっていました。懐かしむ鉄道ファンも多いはずです。対象車両は上下4本、特急「やくも」8・9・24・25号です。車内放送では、旧国鉄時代と同様に「鉄道唱歌」のチャイムが流れ当時の旅情をかき立てます。これは絶対乗っておかねば!!♥♥♥

▲旧国鉄時代のやくも これが3月からリバイバル運転に!

【付記】 リバイバル列車運行開始と連動し、岡山―出雲市駅間の14停車駅の入場券と「やくも」写真入りオリジナル台紙をセットにした記念入場券を2,000セット限定(3,000円)で発売します。

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