ブルーマウンテンコーヒー

◎週末はグルメ情報!!今週はコーヒー

 1月9日は「ジャマイカ ブルーマウンテンの日」でした。日本人が愛してやまない「ブルーマウンテンコーヒー」の需要が世界最大になった1967年のコーヒー豆が、現地キングストン港から日本へ向けて出港した日にちなんで制定されたそうですよ。

 なんと言っても、コーヒーの王様は「ブルーマウンテン」ですね。優雅な香りと、苦み・酸味・甘みの全てが調和したまろやかな味わいが心地よく口に広がります。私は若い頃に同僚と一緒に出かけた、神戸UCC本社ブルーマウンテンコーヒーを飲んで以来、魅せられてずっとUCCの「ブルーマウンテンNo.1」豆を、一畑百貨店地下の「UCCメルカード」で買って飲んでいました。島根県西部の大田・津和野に勤めていたときも、わざわざ松江まで買い出しに出てきたものです。松江に帰ってきてからもずっと飲み続けています。ブルーマウンテン、またはブルマンの名で知られているコーヒー豆は、おそらく日本で最も知名度が高く、高級品として知られているコーヒー豆でしょう。香り、味(苦み、酸味、甘味)、コクが絶妙な割合で柔らかく絡み合い、完璧なまでに調和がとれていることから、「黄金バランス」を持つ「コーヒーの王様」とも称されています。UCCが、コーヒー業界で初めて直営農園を開設したのは1981年のこと。当時は生産量が少なく、この素晴らしい味わいをより多くの人に届けたいとの思いからでした。

ブルーマウンテン_ジャマイカ

 ブルーマウンテンコーヒーが、カリブ海に浮かぶ秋田県ほどの面積の島国ジャマイカで作られているということは知っている方もおられるでしょう。しかし単にジャマイカ産という訳ではないのです。ジャマイカ東部にブルーマウンテン山脈(標高2,256m)という山脈があります。その限られた地域の、主に標高800m~1200m「ブルーマウンテン・エリア」において生産されたコーヒーだけが、ブルーマウンテンと称することができるのです。その地域は何と、ジャマイカ政府の「法律」で区域や条件が決められているのだから驚きです。また、ブルーマウンテンと認められるには厳格な審査が待っています。不純物や欠点豆を除いたうえで、ジャマイカ政府のコーヒー産業公社の審査を受けます。味や品質はもちろんの事、残留農薬など様々な検査を受けて、合格した豆だけがブルーマウンテンとして出荷されるのです。コーヒーには珍しく、国が監査しているコーヒーなのです。

ブルーマウンテン__樽

 出荷方法も特別で、コーヒーの生豆は通常麻袋に入れられてから、産地から消費国に出荷されますが、ブルーマウンテンコーヒーは、木樽で出荷されます。元々は、イギリスから物資輸送に使われた樽にコーヒー豆を詰めて出荷したのが起源と言われています。樽の木材が内外の湿気を吸収・放出し、輸送時などに発生する急激な温度変化を和らげたりすることもあり、現在でもが使われています。一部例外(空輸など)を除いて、基本的にブルーマウンテンは現在でもで運ばれています。さらに現在、で輸出されるコーヒー豆はブルーマウンテンのみなのです。

 何といっても、ブルーマウンテンコーヒーが日本人受けした最大の理由は、その味わいでしょう。「黄金のバランス」と言われるほどの整った味わいで、何といっても甘みとクセの無さは、日本人には飲みやすく好まれたのです。それが「コーヒーの王様」の地位に至った最大の理由でしょう。ブルーマウンテンが輸入された1930年代、「英国王室御用達」というキャッチフレーズで大々的に宣伝されました。そのため“高級”というイメージが刷り込まれたわけなのですが、実のところは根拠はなかったのです。当時のジャマイカはイギリスの植民地であったため、憶測でつけられたと言われています。しかし当時は、現在と違ってコーヒーが喫茶店で飲む大人の嗜みであった時代です。王室御用達の文言と樽の存在感、そして何といっても日本人好みの味わいは、ブルーマウンテンを神話級の品にさせる充分すぎる理由だったのでしょう。

 このような「黄金バランス」が生まれる理由は二つ。一つ目は、コーヒーの生育に最も適した自然環境にあります。栽培エリアは、弱酸性の土壌、さらに山脈を“ブルーマウンテン”と言わしめる頻繁に発生する深い霧と適度な降雨、また日中はカリブの太陽の日差しにより、昼夜で大きな寒暖差が生まれます。この寒暖差により、時間をかけてゆっくりとコーヒー豆が育まれることでコクが生まれるのです。最高の条件が備わった栽培環境とも言えるでしょう。二つ目は、手作業による丁寧なコーヒーづくりです。栽培地のほとんどが山岳地帯で険しい斜面のため、機械化は困難。すべて手作業で行われています。完熟した赤く熟れた実(コーヒーチェリー)だけを一粒ずつ丁寧に手摘みされることで、雑味のない調和した味わいが生まれるのです。

▲城崎温泉の喫茶店でいただいたブルーマウンテンコーヒー

 ブルーマウンテンは有名かつ高級なため、まがい物が市場に出回ることもありました。近年は品質や消費者志向により改善傾向と言われていますが、ある時期には、輸入量の3倍もの量が市場に流通していました。また、ブレンドであることには間違いありませんが、ブルーマウンテンの比率が極端に少ないものもあったようです。実は、ブルーマウンテンの80%以上は、日本に出荷しているのです。そのため海外ではジャマイカ産のコーヒーと聞いても、なかなかピンと来ない人が多いようです。日本では「ゲイシャ」と並ぶ超高級コーヒー豆ですが、世界的な認知度は日本ほどではないのです。ブルマンの飲みやすい風味は日本人には良いのですが、欧米の方々には、クセがなく物足りなさからでしょうか、評価が全く異なるのです。

 ここ最近、ブルマンが市場に出回る量が少なくなっている、と言われることがあります。以前に比べてものすごく値上がりもしています。2012年ジャマイカをハリケーン「サンディ」が襲い、コーヒーに甚大な被害を出しました。ここからがブルーマウンテンの入手困難の始まりです。輸出量が減ったのは勿論のこと、猛烈なハリケーンを受けたわけですから、全体的に質が落ちてしまったのです。さらに追い打ちをかけるように病気が発生し、ブルーマウンテンにとっては危機とも呼べる状況に陥ったのです。⇒ここら辺の事情は詳しくはコチラに書きました  その後、生産量を回復してきたブルーマウンテンですが、ハリケーンの影響で以前のような高品質のブルーマウンテンは、少なくなってしまいました。そのため、以前のような高品質のブルーマウンテンが手に入りづらくなったというのが実情です。今は生産量の回復とともに品質も取り戻しつつあるので、また以前のように高品質のブルーマウンテンを見られる日が来るかもしれません。私は毎朝、UCCドリップポッドでブルーマウンテンコーヒーを美味しくいただいています。♥♥♥

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