札幌駅

 今年の「共通テスト」前日の1月14日、JR北海道は、除雪作業を行なうため同日21時以降、札幌発の全列車を運休しました。1月14日は始発から札幌圏がほぼ麻痺状態となり、各所でポイント不転換などが発生。この時期にはあまりない湿った重い雪が横殴り的に降り続いたため、午前中の再開としていた区間も終日運休に近い様相を呈しました。翌1月15日は「大学入学共通テスト」の1日目が控えていることもあり、影響を最小限にとどめようと、集中して札幌駅構内の除雪作業を行なったようです。今年は北海道内でも、「共通テスト」に約1万7千人が出願していました。翌日、スムーズに運行ができたのかどうか心配していました。報道によれば、当日も大雪で列車474本が運休して、試験開始時刻に遅れが出たそうです。影響を受けた受験生は大変でしたね。今日は、先日の「小樽駅」に続き、札幌駅」の話題です。

▲JR札幌駅正面

 以前私は、無謀にも札幌まで松江から電車で行ったことがあります!!(私は基本的に飛行機嫌いなんです) 朝の5時07分に松江駅特急「やくも」で出発して2時間半、岡山に着きます。岡山から新幹線「のぞみ」に乗り換えて、3時間20分で東京駅に、東京駅からできたての北海道新幹線新函館北斗まで4時間5分、さらに新函館北斗からは、特急「スーパー北斗」で、4時間10分で札幌駅に着きます。着いたのはもう夜の9時を回っていました。もうクタクタです。さすがの私も帰りは飛行機にしましたよ。

 まず札幌駅は、でかすぎる北海道の中で、真ん中の少し左にあります。石狩平野の南西部に札幌市があり、その中央部に鎮座するのが札幌駅です。鉄道ネットワークの中でいうと、函館から旭川までを結んでいる函館本線の途中駅。道外の人が訪れるとすると、新千歳空港から千歳線の快速「エアポート」に乗って、約40分の場所です。

 札幌ターミナル、高架のホームは5面10線、JRタワーという名の巨大な駅ビルと札幌市営地下鉄に直結する地下街も持つドデカい駅です。札幌駅は1880年11月28日、官営幌内鉄道の駅として仮開業しています。官営幌内鉄道は、小樽の港に直結する手宮駅から札幌・江別・岩見沢を経て夕張山地に分け入った山間部の幌内までを結んでいました。開業の目的は、幌内の石炭を港まで運ぶため。つまり北海道の鉄道は、人ではなくて、石炭輸送を最大の役割として誕生したのです。この幌内の炭鉱から港までのルートには他の案もあったといいます。それは、室蘭の港までのルート。というのも、小樽の港は冬場には凍結してしまうこと、そして札幌から小樽まで抜けるところには山が海岸線まで迫る難所があったことがあります。ただ、室蘭ルートも距離が長すぎて建設コストが膨大になります。裏を返せば、室蘭ルートや舟運接続のルートになっていたら、今の札幌の大ターミナルと大都市・札幌は生まれていなかったということになりますね。一時期は札幌に駅ができない可能性もあった中で、情勢を一変させたのは、アメリカから招聘されたクロフォードという技師でした。

 クロフォードは、1879年に北海道にやってきて現地を視察。舟運ルートでは利便性に欠くので、できれば線路を小樽港まで引っ張るべきだと主張しました。そうこうしているうちに、小樽港も不凍港となっていたし、実際に調査をしてみると難所の鉄道建設も意外になんとかなることが分かりました。そうして札幌を経由する官営幌内鉄道が開業します。北海道では初、国内でも3番目の鉄道でした。いずれにしても、札幌駅が開業した当時は、まだまだ札幌は不毛の地だったといっていいでしょう。場長(駅長)の他には駅員が7、8人程度、つまり職員が10人にも満たない小さな駅でした。それは港直結の手宮駅も同じだったが、とにかく小さな駅に過ぎませんでした。むしろこの鉄道開通は小樽の発展を促し、現在に通じる小樽の繁栄の礎となっています。

 さて、札幌駅のホームに降りてみましょう。ホームがまるごと巨大な屋根に覆われているせいなのか、なんだかホームが薄暗いのです。冬にはたくさん雪が降るから屋根が重厚なのは仕方がないのかもしれませんが、もう少し明るくしてくれてもいいのにな、というのが第一印象でした。それでも、ホームからコンコースに降りて改札口のあたりまで来れば、いかにもターミナルらしい光景が見られます。人混みの賑やかさもそうですが、改札の上に掲げられている発車列車の多い案内板です。

 行き先には「旭川」「函館」「釧路」「小樽」「新千歳空港」「網走」小樽新千歳空港は札幌からそれほど離れていませんが、函館・釧路・網走に至っては数時間もの距離があります。北海道はとにかく広すぎるといいますが、それは札幌駅の電光表示板を見るだけでも充分に体感・納得できるのです。

  

 改札口を抜けると、札幌駅の南北をつなぐ自由通路となっています。札幌駅の自由通路は東西に1本ずつあって、どちらも似たような顔をしています。大きな違いは南側にある。東側の通路を行けば、南側の出入り口の手前に赤いオブジェが鎮座して、西側の通路には白いオブジェが出迎えてくれます。どちらも待ち合わせスポットになっているようで、大志を抱く札幌の若人たちが友人や恋人を待っています。札幌駅の正面は、このオブジェのある南側。駅前には立派すぎるほど立派な広場があって、その先には街路樹も美しい札幌駅前通が伸びる。その道を、10分ほども歩けば大通公園です。

 札幌駅の3つのビル(新幹線札幌延伸で商業施設「エスタ」「パセオ」は閉館予定です)で忘れてはならないことは、駅中にたくさんのアート作品が展示されていることです。実は、2003年のJRタワー開業にあわせてビルをアート作品で飾ろうというプロジェクトが発足したのがきっかけでした。プロジェクトは「JRタワーアート計画」と命名され、2002年より公募を行い28点が選ばれて展示されることになりました。また公募ではなく、アート計画の中で選考された作家に直接依頼して設置された22点の作品もあります。その後、追加された作品もあわせて、現在、アート作品は50作品以上になります。見覚えのあるもの、これがアート作品なのかと驚くもの、まったく気づいていなかったものなど多種多様です。私が印象に残って写真に収めたものを、下に挙げておきました。時間があったら、もう一度自分の足で全アート作品めぐりをしてみたく思っています。♥♥♥

▲JRタワー建物正面 五十嵐威暢 「星の大時計」

▲西コンコース 安田侃 「妙夢」

▲札幌ステラプレイス センター(1階屋外)流政之 「テルミヌス」

▲札幌ステラプレイス センター(1階屋外)金井聡和 「花降る石」

▲東コンコース 浅見和司 「Legs“旅人の残像”」

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