本多式「4分の1」貯金

 今日はみなさんにチョットいいお金の貯め方に関する情報をお知らせしたいと思います。みなさんは「本多静六」(ほんだせいろく、東京大学名誉教授)という人をご存じでしょうか?私は若い頃に、故・渡部昇一先生のエッセイを読んでいて、よく登場したのが本多静六博士でした。博士は、「日比谷公園」「明治神宮の森」など数々の公園を設計した功績から、「国立公園の父」とも呼ばれる日本初の林学博士です。幼少時に父親を亡くし貧乏であったがために、自分の郷里出身の大蔵省の官吏のもとに書生として入りました。そのご主人が、あるときこう言ったんです。「今度、政府は山林学校をつくる。これは授業料がただだ。入って勉強してみてはどうだ?」と。それに本多先生は飛びつきます。別に木に関心があったわけではなく、ただで入れるということで入ったのでした。学校の定員は50人でしたが、本多先生はビリの50番目で入りました。そこを受ける人は中学だとか師範学校から進んでいるんです。本多先生は書生でそういう勉強を一切やっていません。ただ一つ、先生は独学で漢文をたくさん暗記していましたので、作文の点数は良かったんです。当時は、漢字をたくさん使った作文が評価される時代でした。そこで「こいつは数学は全然できないけど、入れてやれ」ということになりました。本多先生が数学でたった一つだけできたのは、ピタゴラスでした。先生は受験するときに、数学が全然解けないと困るだろうといって軍人を紹介され、そこへ習いに行っていました。その軍人は、山の学校なら木を測るような問題が出るのではと考え、ピタゴラスの定理を教えました。それで一題だけできたんだそうです。ところが本多先生は、一学期に落第してしまいます。支援してくれた人に申し訳ないということで自殺しようと井戸に飛び込んだら、たまたま木のふちに腕がひっかかって助かったのでした。その後、先生は死んだ気になって勉強します。幾何の問題が500題あるような問題集を買ってきて、全部解くことを決意します。そうした努力の甲斐あって、全部解いた時には数学が一番できるようになっていたそうです。その学校は後に東大の農学部になりましたが、そこを一番の成績で卒業し、ドイツに留学するのです。

 本多先生は、ドイツ留学でのルヨ・ブレンターノ教授の教えから、勤倹貯蓄を処世訓とし、奈良県・吉野の土倉庄三郎翁の書生をしながら直接林業を学び、林学の基礎を作りその普及に務め、後に日本で最初の林学博士となりました。投資家としても巨万の富を築きますが(40歳あまりで現在の価値で約100億円もの資産を築き上げた)、退官を機に匿名でほぼすべてを教育、公共の関係機関に寄付したことでも知られています。こんな生き方をしてみたいと私が憧れた人物です。また、日々1ページ原稿を書くことを常としたため、370冊を超える著作があります。

▲この本が私の人生を…

 故・渡部昇一先生が、特に推奨された本が、本多静六『私の財産告白』でした(現在は実業之日本社文庫で読むことができます)。若い時にこの本を読んだことが、私の大きな転機となりました。ミュンヘン大学の留学を終えて帰国する本多博士に、ブレンターノ博士は、「お前もよく勉強するが、今後、いままでのような貧乏生活を続けていては仕方がない。いかに学者でもまず優に独立生活ができるだけの財産をこしらえなければ駄目だ。そうしなければ常に金のために自由を制せられ、心にもない屈従を強いられることになる。学者の権威も何もあったものでない。帰朝したらその辺のことからぜひしっかり努力してかかることだよ」と戒められたそうです。

 全く財産もなく貧乏な生活から抜け出せなかった本多博士は、貧乏に強いられてやむを得ず生活を切りつめるのではなく、貧乏をこちらから進んでやっつけなければ貧乏は征服できないと考えました。自発的、積極的に勤倹貯蓄を努めて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならないと考えたのです。そこで断固決意して実行に移ったのが、本多式「四分の一天引き貯金法」でした。苦しい苦しいで普通の生活を続けて、それでもいくらか残ったら……と望みをかけていたくらいでは、金輪際余裕の出てくるはずもありません。貧乏脱出にそんな手ぬるいことでは到底ダメです。いくらでもいい、収入があったとき、容赦なくまずその4分の1を天引きして貯金してしまう。そうして、その余りの4分の3で生活を押し通すのです。あらゆる通常収入は、それが入った時に、天引き4分の1を貯金してしまいます。さらに臨時収入は全部貯金して、通常収入増加の基に繰り込むのです。方程式にすると次のようになります。

  貯金 = 通常収入×(4分の1)+ 臨時収入×(10分の10)

通常収入に4分の1という「手かせと足かせ」をはめて、残りの4分の3で暮らすのは「はじめから4分の3のお金で暮らすのだと思えば、苦しくも何ともない」という腹決めをすることです。頭から使えるお金はこれだけだと考えて、腹を決めて生活をする。実際、天引きしないで倹約して残ったお金を貯めようとしても、お金というのは残らないものなんです。

 例えば、月収が手取りで30万円、ボーナスが年二回合計60万円だとして計算してみましょう。月収の4分の1である7.5万円、年単位では90万円、ボーナス全額60万円を加えた150万円というのが1年間の貯金額となります。これを30歳から定年退職する60歳まで続けると、30年間たとえ無利子だったとしても、もう4,500万円ものお金が貯まっています。まさに「継続は力」でしょ?

 私はこの薄~い本を読むことで、大きな転機を迎えました。私が真似たのは、決まった月給は、3分の1を貯金して、残りの3分の2で生活する。印税・著作収入・賞与などの臨時収入分は全額貯金に繰り込む、というやり方でした。決して楽な生活ではありませんでしたが、何十年と続けてきました。小さい頃は貧乏で、何の財産もありませんでしたが、人よりチョットだけ英語を勉強し続けた結果、思わぬ収入も入るようになり、それを全てこの本多式で貯金してきました。本多先生は、貯まったお金を投資に回して、さらにそれを増やして億万長者に成られましたが(①好景気時は勤倹貯蓄に徹し、不景気時に積極果敢に投資、②2割食い、③10割益半分手放し、の本多式「3原則」に従い)、私は投資は一切していません。退職してからは、銀行員の教え子の勧め(脅し?〔笑〕)で退職金を全部運用してもらっていますが、残念ながら利益は上がっていません〔笑〕。それでも全くの無一文から、松江北高近くの一等地に土地を購入して、書庫とお風呂の充実した自宅を建てることができたのも、趣味のマジックにも5,000万円以上のお金を充てて楽しむことができ、一流のお店でしか味わえない美味しい料理を食べたり、全国各地にふらーっと気ままに旅をして、その土地の最高のホテル(旅館)に泊まってくつろぐことができるのも、全てこの「本多式貯蓄法」のおかげだと感謝しています。ぜひ上の本多博士の著書を読まれることをお薦めしています。他にも沢山の著書がありますが、そのエッセンスだけをまとめた本『本多静六 人生を豊かにする言葉』(イーストプレス、2006年)も出ています。♥♥♥

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