アダム・ウォーカーの成長

▲写真は「スポーツ報知」より

 

「歩」のように日々コツコツと練習してきた男が、成果を見せました。守備、特に送球を苦手としてきたウォーカー選手が、矢のようなバックホームを見せたのにはビックリしました。開幕当初の守備はまさに「ザル」で、ウォーカーの前に安打が飛ぶと、相手チームは決まって三塁コーチが腕をぐるぐると回し、本塁突入を指示しました。中継に投げるボールはいつもワンバウンドを叩きつけていました。その左翼のウォーカーが、6年ぶりの山形での主催試合で中日に対し、2回に中継で来日初補殺を記録すると、4回には本塁を狙った走者をノーバウンド送球で刺すなど特訓の成果を発揮しました。 

 満面の笑みを浮かべ、ウォーカーは胸を張ってナインとタッチを交わした。同点の4回2死一、二塁。石橋の当たりが左前打となり、二塁走者の阿部は三塁ベースを回った。捕球したウォーカーが素早く返球すると、ノーバウンドで大城へストライク送球。アウトの判定に立浪監督がリクエストを要求しましたが、判定は覆らず勝ち越しを阻止し「亀井さんが指導してくれたことが今日やっとプレーでできるようになって、亀井さんを喜ばせることができたことはうれしいです」。チームを救うビッグプレーに、自然と顔がほころびました。

 2回1死一塁では、高橋周の左中間への安打でスタートを切っていたA・マルティネスが一気にホームを狙うも、ウォーカー―坂本―大城とつないでタッチアウト。来日初を含む2つの補殺を奪ってみせました。連日マンツーマン指導に当たる亀井コーチにとっても、ウォーカーの成長が見られた喜びはひとしお。「めちゃくちゃうれしかった。ちょっと涙出そうになっちゃったよ。彼の努力のたまもの」と“まな弟子”を見つめました。来日当初は中継につなぐ短い距離でも、ボールをたたきつけてしまったり、ありとあらゆる方向にボールが飛ぶなど、送球がままなりませんでした。日本の高校生以下のザル守備でした。アメリカの独立リーグで2年連続MVPも、この守備ではメジャーでは通用しません。

 「(今も)きれいな球ではないんだけど、最初を見た人は分かると思うんですよ。これが成長じゃないかなと。今の球だけ見てたら『なんだあの球』ってなるけど、最初見てる僕からしたらやっぱり感動もんやった。これが何かきっかけになればいい」と同コーチ。原監督「その(4回の)前も(2回に)あったしね。いいものを見せてもらったなという感じがしますね」と目を細めました。

 “本業”の打撃でも、初回1死一塁から左翼への二塁打で岡本和の先制犠飛をお膳立てすると、続く3回1死一塁では中前打。5回は右前へ運び、3安打の大暴れ。絶好調のバットがこの日も火を噴き、7試合連続安打と好調を維持しています。今のジャイアンツにあって3割バッターは彼一人だけです。

 試合の流れを左右しかねない場面で決めた好返球は、亀井師匠への恩返しとなりました。「攻撃の面でも守備の面でも、今まで頑張ってきたことがやっと成果として表れたのがすごくうれしいです」とはにかんだウォーカー。練習はウソをつかない。それを証明する見事なプレーでした。恐らくまだまだ成長して上手くなることでしょう。彼はハングリー精神が旺盛ですから。♥♥♥

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