良樹細根、大樹深根

 「良樹細根、大樹深根」(りょうじゅさいこん、たいじゅしんこん)という言葉を本で読み、印象に残りました。良樹細根」とは、「細かく根が張っている木は枝葉もよく茂る木になる」という意味で、大樹深根」とは、「根が深くまで張っている木は、その分大きな木になる」という意味だそうです。このことは、人間にたとえても確かにそうですね。正しい考え方という根をしっかりと張りめぐらせている人は、やがてたくさんの枝葉が茂る良木になると思います。立派な木には、立派な根が張りめぐらされています。立派な木になりたければ、正しい考え方という名の根を張る努力を怠ってはいけません。根を張りめぐらせていない人は、本来もっと茂るはずの枝葉も茂らないままになってしまいます。あるいは、根はたいして張っていないのに、枝葉の方が一時的に急激に茂るという場合もあるでしょう。いわゆる運が良くてある時期一気に有名になったり、急にお金が儲かった人がこれにあたります。こういった人の枝葉は現時点では見事に生い茂っていますから、そこに魅力を感じて、多くの人がすり寄ってきてちやほやしてくれることでしょう。しかし、もともとその人の根は張っていないわけですから、それがどれほど持つかは時間の問題です。遠からず、根元から倒れてしまうかもしれません。人間はどうしても枝葉に目が行きがちですが、それを支える根がないと、すぐに枝葉は枯れ落ちてしまいます。すぐに役立つことばかりしていると、根が疎かになります。何事も最初に手をつけるべきはいつも根で、葉は後なのです。

 当人が根がまだ十分に張っていないことを自覚して、努力をずっと続けることが大切です。早く立派な木になりたいからといって、無理して大きくしようとすると、支えきれなくなって倒れてしまうことがあるので注意が必要です。この状態を「高転び」と言います。自分をことさらに大きく見せようと虚勢を張る人もいます。こういう人は根を十分に張っていないため、「高転び」してしまうことがあると思います。根を張る努力をせっせと続けるうちに、自然に枝葉が茂り、いつしか立派な木になる。これが、人としても、会社としても、最も理想的な成長の形だと思います。実力がついていないうちに「たまたま」うまくいった人は、それこそ人の何倍も努力をしなければいけません。努力を怠れば、たちまち枝葉は枯れてしまうことでしょう。根をしっかりと張りめぐらせるために必要な栄養分を得るには、長年読み継がれている良書を読むことが一番だと、尊敬する経営コンサルタントの小宮一慶(こみやかずよし)さんはおっしゃいます。名経営者として名高い、松下幸之助さんや稲盛和夫さんが書かれた本を薦めておられます。私もこのお二人の本はすり切れるぐらいに読んできました。

 ただし、人には、その人に合う木の高さがある一方、その高さまでは成長することも大切です。2メートルの木になる可能性のある人が2メートル以上になることはありませんが、2メートルまでには伸びなければなりません。5メートルになる可能性のある人は、5メートルまで伸びる努力をしなければならないのです。なれる精一杯のところまでは、体を壊さない程度に目いっぱい頑張ろうという意味です。私は、「自己実現」とは、なりたい自分になるということもありますが、「なれる最高の自分になること」ではないかと思っています。そして、なれる最高の自分を目ざしているその延長線上に、なりたい自分になれるのだと考えています。そんなことを考えさせてくれるいい言葉でした。♥♥♥

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