「GoodはGreatの敵である」

 標題は、ジェームズ・C・コリンズ『ビジョナリーカンパニー2』の冒頭に出てくる言葉で、私は小宮一慶(こみやかずよし)さんの本で知りました。そこそこ良い状態であると、そのことに満足してしまい向上心がなくなり、せっかくGreatになることができるチャンスがそこにあるにもかかわらず、Goodな状態で終わってしまうということです。このGoodGreatの差が一人前一流の差ではないかなという気がします。「一人前と一流は違う」という言い方もしますが、よく似た趣旨ですね。一人前というのは厳しい言い方をするようですが、二流です。食べるにはそこそこ困らないけれども、人からはすごいとは認められない状態です。もちろん、これは価値観の問題ですから、別に一流やGreatにならなくてもよいと考えるのもありだとは思いますが。ミスを怖がり、good(安定してできる)なプレーを選び続けると、goodな状態から抜け出せなくなってしまいます。

 器用でない人は人よりも仕事が遅いので、努力を続け、工夫したりして「もっとうまくやるのはどうすればいいだろう?」と、あれこれ試行錯誤します。自分が器用でないことを知っているので、努力を続けるのです。ところが、器用な人はこの四苦八苦がありません、早く一人前になるので、周りからもちやほやされます。自分でも「仕事なんかちょろいもんだ」と感じるからか、無意識のうちに奢りが生まれます。早く一人前にはなりますが、その後の努力をしなくなるのです。言うなれば、「GoodはGreatの敵」なのです。一人前と一流は違うのです。一人前は二流になっただけです。ここから一流になるには、さらなる努力が必要なのです。半人前は三流ですから、必死に努力をしなければなりません。多くの人が一人前(=二流)になったときに必死さを失うのです。誰も文句を言わないから、少なからぬ人がそれで十分と勘違いをしてしまうのです。だから一流にはなれません。本当に必死さが必要なのは、一人前になってからなのです。「自己実現」とは「なれる最高の自分になること」です。なれる最高の自分になろうとしないことは、本人にとってももったいないことですが、属する組織や社会全体にとってももったいないことだと思います。一人前で満足しないで、前向きになれる最高の自分を目指すことが大切だと思います。官僚的になったり、組織横断的な判断や考えができなくなったり、そこそこの売り上げや利益に満足してしまい、お客様やお得意様に対してぞんざいな態度になったり、goodで止まる原因は、満足して謙虚な気持ちがなくなった時のようです。

 「自己実現」をするためには何をしなければならないかというと、二つあると考えています。一つは、とにかく目の前にあることに一生懸命になる習慣を持つことです。ビジネスマンなら目の前の仕事にとにかく精一杯取り組むこと。そして、まだやれることがあると考えて、さらに徹底することです。中途半端なことをやっていては、実力は上がりません。全力を尽くしていれば実力は少しずつですが必ず上がっていきます。人生は今日一日の過ごし方が積み重なるだけのことです。もう一つは、目標を持つこと。短期的な目標でもよいから、目標を持って、そのために全力を尽くすとともに、オフでも自分の将来のために本質の勉強を少しずつでも積み重ねていくことが大切です。目標を持たないと、毎日が全力でもなれる最高の自分になれるかどうかは分かりません。「散歩のついでに富士山に登った人はいない」のです。必死に散歩しているだけでは、富士山には登れません。どうせ努力するなら方向性を間違わないことです。そのためには目標を持つことが大切です。私は月間目標を毎月立てることを薦めています。そして、その目標の先に「目的」、つまり自分の「存在意義」が見つけ出せれば最高です。♥♥♥

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