「稲佐山平和音楽祭2022」

 長崎は世界に2つしかない被爆地として、大きな悲しみを乗り越えてきました。長崎の地から広く平和のメッセージを発信するために、さだまさしさんが、20年間稲佐山で開催されていたコンサート「夏 長崎から」 を継承する形で、新羅慎二(若旦那)さんと共に、これからの世代へと語り継げる平和祈念音楽祭が企画されました。通販大手ジャパネットホールディングスのグループ会社、リージョナルクリエーション長崎が主催し、長崎新聞社などが後援しています。2020年8月の第1回目は、新型コロナウイルス禍のため無観客で開催・テレビ中継し、2021年は中止。今回初めて有観客で開催しました。「稲佐山平和祈念音楽祭2022~長崎から世界へ」は、8月6日(土)、8月7日(日)の長崎県稲佐山公園野外ステージにて2日間、約16時間繰り広げられました。

 集まっていただいた皆さんの想いを、世界の紛争地帯や貧困で苦しんでいる人々の平和な日常や笑顔につなげていきたいという願いから、「稲佐山平和祈念音楽祭2022」の利益はすべて「国境なき医師団」に寄付されます。総合プロデューサーを務めた、人気バンド湘南乃風(しょうなんのかぜ)のメンバー新羅慎二(にらしんじ、46歳)さん(若旦那)は、リスペクトするさだまさしさんが長年続けてきた平和コンサートの思いを引き継いでいます。「まさしさんの「夏 長崎から」というイベントは20年やられていて。それをまさしさんから受け継いだと思っているので、僕が目指すのはこの先まさしさんから受け継いで作った稲佐山音楽祭を20年続けることです。今年で被爆77年を迎え、実際に当時の記憶がある被爆1世の方たちが少なくなっている中で、稲佐山音楽祭は「これからの世代につなげていくこと」「音楽が鳴っている間は平和だ」というメッセージを継承し続けていくことを目指しています。」と。

 さだまさしさんは、個人で28億の借金(金利合わせて35億)に苦しむさなかに、広島に原爆の落ちた8月6日に平和を祈るコンサート「夏 長崎から」を自腹で1987年に始めます。なんとそれを入場料無料で始めたのです。それは、広島原爆忌の晩に長崎で歌うという「平和を願う場所」は誰でも来られる場所であるべきだ、という彼の思いです。仮に1000円でも入場料をとってしまえば、子どもや老人は留守番になる可能性があります。夕涼みがてらに、みんなでやって来て音楽を聴く、これが「平和」の姿の一つであるという思いです。そういえば、やはりさださんが8年を要してグラバー邸下に建てた「ナガサキピースミュージアム」(名誉館長 故・原田泰治で、空に高くそびえ立つ五線譜のモニュメント福田繁雄作も、平和が無くなるとまず音楽から壊される、という思いからでした。意識してあえて「平和コンサート」という表現を避けて「夏 長崎から」という名前にこだわった理由でもあります。心ない人たちは「売名行為」「ただとは何か別の意図があるのではないか?」「選挙に出る事前運動か?」と批判しました。舞台制作費、交通費、宿泊費、スタッフ費用に1回3,000万円ほどかかりました。映画「長江」の借金返済で苦しんでいた当時(28歳で金利を入れて35億円!)、この返済金額は決してたやすいものではありませんでした。周りの反対を押し切って、血の出る思いで、それでも始めたのは、どうしても伝えずにはいられないさださんなりの平和への熱い思いがあったからだと思います。徐々に理解あるスポンサーも現れ始め(パナソニックなど)、大規模になっていきます。それでも毎年費用1億円の半分近くはさださんの持ち出しでした(最後の方ではトントンになりましたが)。以降2006年まで、何と20年間も続きます。私も参加させていただきました。

▲故・原田先生が名誉館長の「ナガサキピースミュージアム」

 8月6日の広島原爆投下の日に、同じ被爆地である長崎の空から歌うことによって、声高に「平和」を叫ぶことなく、集まった人々の心の中にある平和への想いを再確認する場にして欲しい、と歌手のさだまさしさんが、1987年に始めたのがこの「夏・長崎から」です。彼は20年間毎年、コンサートが終わる前に、ステージから呼びかけます。「このコンサートが終わるまでの間に、ほんの僅かな時間でよいから、あなたの一番大切な人の笑顔を思い浮かべて欲しい。そうしてその笑顔を護るために自分に何ができるだろうか、ということを考えて欲しい。実はそれが平和へのあなた自身の第一歩なのです。」20年間続けた最後の「夏 長崎から」のコンサートが終わって、スタッフがさださんの元に駆け寄って涙ながらに伝えます。「さださん、ちゃんと伝わってますよ!」と。コンサートが終わり家路に急ぐ親子連れがいたそうです。まだ小さい子どもです。「お母さん、なんでこんなにたくさんの人が集まっているの?」――「それわね、みんなで平和を祈るためなんだよ」――「平和って何?」――「こうやってたくさんの人が集まって音楽を聞くことが平和なんだよ」――「ふ~ん」

 トップバッターは、このイベントの総合プロデューサーである新羅慎二(若旦那)さんが務め、「平和とは愛だ。愛のあるライブにしましょう」と呼びかけると、会場からは大きな拍手が。その後、コロッケのものまねメドレーや五木ロボットで会場のボルテージが一気に上がり、長崎に在住経験のあるスガ シカオや、過去に稲佐山での音楽イベントに出演していたスターダスト☆レビュー南こうせつさんなど、ゆかりのあるアーティストが稲佐山を熱気に包みました。

 1日目のトリを務めたさださんは、自身が20年間続けてきた稲佐山でのコンサート「夏 長崎から」の思い出を語り、「精霊流し」や、長崎と同じ被爆地の広島に向けて、「広島の空」などを熱唱しました。来場者に向けて「音楽はすべて反戦歌である。私は音楽家だから、音楽家の武器は音楽だけ。大切な人を守る方法はただ一つ、戦争をしないことだ」と語りかけ、陽が落ちた場内はしっとりとしたムードで平和への想いに馳せました。最後は出演者一人ひとりを紹介し、全員で「祈り」を歌い締めくくったのです。ここで歌われた「広島の空」は、NHKの「ライブエール2022」でも生中継されて感動を呼びました。私の大好きな歌です。

 8月14日(日)、このイベントの見どころを厳選し、3時間に凝縮して、BSJapanextで放映されました。レジェンド・アーティストや、長崎にゆかりのあるアーティストたちのパーフォーマンスを、代表曲を含め、また、ステージ裏での様子や、アーティストの「歌に込めた思い・平和への想い」についてのインタビュー、会場当日の様子や打ち上げられた花火もあわせて、稲佐山平和祈念音楽祭の臨場感をたっぷりと伝えてくれました(8月18日にも午後9時から再び放送があります)。「平和へのメッセージ」はしっかりと受け止められたものと感じました。♥♥♥

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