城崎温泉

 兵庫県の豊岡市に位置している開湯から1300年以上の歴史を持つ「城崎温泉」(きのさきおんせん)は、「外湯めぐり」発祥の地と言われていますね。豊岡高校での講演の前夜、ここに泊まり、「外湯めぐり」を楽しんできました。城崎へ来た道智上人が難病の人々を救うためにに、当地で神託により千日の修行を行い、720年に温泉が湧出して温泉が開かれました。志賀直哉、島崎藤村、司馬遼太郎、与謝野晶子など多くの作家・歌人が訪れている名温泉街です。洞窟のようなお風呂や美しい緑に癒やされる露天風呂など、7つの共同浴場が川沿いに点在しています。

 「城崎温泉」には7つの温泉があり、それぞれに特徴的な御利益を持っています。①「さとの湯」JR城崎駅のすぐ横にあり、1階は休憩室、2階が大浴場、屋上の展望風呂をはじめ様々なタイプのお風呂が魅力で、ふれあいの湯(自然回帰)。②「地蔵湯」は、伝説によれば泉源から地蔵尊が出たといい、ジェット風呂や打たせ湯が有名で、衆生救いの湯(家内安全・水子供養)、とも言われ、地元客も足繁く通う。③「柳湯」は中国の名勝・西湖から移植した柳の木のしたから沸きだした湯で、子授けの湯(子授安産)となっています。城崎で一番小さい外湯ですが、木造平屋建ての外観は旅情満点。他の外湯よりも熱めの湯が注がれているそうです。④一の湯」は江戸時代の湯泉医学者香川修徳が「天下一の湯」と賞賛したことから名付けられ、温泉街のシンボルともいうべき桃山様式の建物で、洞窟風呂が自慢。開運招福の湯(合格祈願・交通安全)。⑤「御所の湯」は、温泉の神様として地元で崇拝されてきた四所神社の隣に建つ。地元産の丸太をくみ上げることで天井を高くして開放的な内湯となっています。大浴場のガラス貼り天井や「天空風呂」から見える山や滝の風景が魅力で、美人の湯(火伏防災・良縁成就)。⑥「まんだら湯」は檜造りの露天桶風呂や気泡風呂が自慢で、寺院風の屋根が個性的で一生一願の湯(商売繁盛・五穀豊穣)。⑦「鴻の湯」は1400年前にコウノトリが足の傷を癒やしたという逸話が残る湯で、温泉街の奥まった場所にあるしあわせを招く湯(夫婦円満・不老長寿)。大人1,200円、小人600円の「外湯めぐり券」の購入で1日で全ての温泉を楽しむことができます。私の泊まった「城崎川口屋リバーサイドホテル」のフロントでは、デジタル外湯券「ゆめぱ」をもらいました。外湯に入るときは、外湯の受付でこの券のバーコードをピッと読取装置にかざすだけで、無料で入ることができました。実に便利ですね。

 「城崎温泉」の7つの外湯は、全て共通した「泉質」です。源泉と循環のお湯を共用しているので、どこで入浴してもお湯は同じなのですが、場所によって趣が違います。湯温は高めなのが特徴的で、私はあまりに熱くてすぐに上がったぐらいです。

泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・高温泉
効能:神経痛・筋肉痛・うちみ・慢性消化器病・痔病・疲労回復 等
温度:42℃
ph値:不明
湯量:不明

 「城崎温泉」の外湯4つ目の「一の湯」に入ってみました。一の湯」は、城崎温泉街のちょうど中心に位置するところにあり、人通りも大変多い場所です。「招福の湯」として言い伝えられています。受験にも効能があるというので、まずいの一番に入りました。めちゃ熱かったです。脱衣所のロッカーがレトロで可愛らしいです。

 駅からホテルまで乗ったタクシーの運転手さんが、城崎一番のオススメは、外湯5つ目の「御所の湯」だということでした。外湯巡りをする際には必ず行くようにとのアドバイスでしたので、一の湯」を出てから向かいました。御所の湯」は、城崎温泉の外湯めぐりの中でも高い人気を誇っているようです。外湯の中では一番新しく、建物もまるで「神社」や「お寺」のような建物のようで荘厳な雰囲気がよいです。お風呂も広く、「内湯」と「露天風呂」、また「サウナ」まであります。露天風呂には滝があり、滝を眺めながらお湯につかれるロケーションは特にオススメで、御所の湯」ならではの光景。ぜひ、城崎温泉「外湯めぐり」の中では、必ず訪れてみてください。

 宿でカニのフルコースの夕食をとっていると、係の方が夜の温泉街もまた素敵ですから、ぜひ歩いてみてくださいとのこと。温泉街を流れる大谿川(おおたにがわ)は夜になると川辺に光が灯り、幻想的な夜の風景でした。のんびりと一夜を過ごして、翌日の講演に備えました。♥♥♥

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