「グレープ」復活!

 シンガー・ソングライター、さだまさし(70歳)さんと、音楽プロデューサー、吉田政美(よしだまさみ、70歳)さんによるフォーク・デュオ「グレープ」が、結成満50周年を迎えた11月3日、東京・神田共立講堂で〝一夜限りの復活コンサート〟「GRAPE 50年坂 一夜限りのグレープ復活コンサート」を開催しました。「グレープ」は、高校生の時に知り合ったさださんと吉田さんの二人が、後に長崎で再会し、1972年に結成。1973年にシングル「雪の朝」でレコードデビューし、「精霊流し」をはじめとするヒット曲を世に多数放ちましたが、1976年春に惜しまれながら解散しました。今回は1976年3月26日、神田共立講堂で行われた「グレープラストコンサート」以来になります。「フォークの聖地」と呼ばれたこの会場は、現在は、学校関係者以外への貸し出しは原則一切行われていない中、今回は特別な計らいをもって企画が実現しました。当日は、学校施設ということもあり、感染対策のためキャパの半分しか動員できないこともあり、このライブは同時生配信も行われました。1991年に「レーズン」の名前で復活を遂げたことはありましたが(「ぶどう」が干からびて「レーズン」になった!)、「グレープ」名義での公演は同所で行った解散ライブ以来、46年半ぶりです。思い出のステージで47年ぶりの新曲2曲も初披露し、さださんは「またやるから」と、笑顔で再会を約束しました。2人が奏でるアコースティックギターの音色が絡むと、800人の観客から割れんばかりの拍手がこだましました。

 「皆さん、こんにちは。グレープです!!グレープですって挨拶して、精霊流しをやっちゃったら、後はアンコールじゃないの?」。午後3時に代表曲「精霊流し」で始まった復活公演。歌い終えたさださんがあいさつすると、吉田さんは「まだやるの?」と、いきなりボヤいて笑わせました。アマ時代の1972年11月3日に初ライブをした「結成記念日」から数えて丸50年。解散後も、さださんのステージに、時折吉田さんが登場するなど、親交は続いており、軽妙なトークは健在です。会場は1976年3月26日にラスト公演を行った神田共立講堂で、さださんは「またフォークの聖地でできるとは」と感無量です。「時間が経ってから一緒にステージに上がると思いませんでした。ここまで来たのが夢のよう。これからもチャレンジしていきたい」さださん。吉田さんも、「あなたと付き合っているおかげで、素晴らしい機会を与えていただいて」とかみ締めました。長い付き合いならではの息ピッタリのトークで会場を沸かしました。さださんは吉田さんのことを、「優れたギタリスト。彼の感受性がギターの音に出ていて、彼の音が好きですね。僕の原点です」「グレープは吉田がプロデュースしてきた。僕が曲を作って最初に顔色をうかがうときは吉田の顔色という感じでやってきた」と。

 ステージでは、「無縁坂」などのヒット曲に加え、47年ぶりの新曲「ゲシュタルト崩壊」「天人菊」(ともに仮題)を初披露(この新曲について吉田さんは、「頑張って作ってくれたけど、もうちょっと推敲した方がいい」と音楽プロデューサーらしく注文をつけていました)するなど、約2時間半にわたり16曲を熱唱し、同じく47年ぶりとなるオリジナルアルバムを、来年2月15日に発売することも発表されました。「拍手はいらない。買って下さい!」とアピール。タイトルはまだ未定ですが、さださんは1974年の初アルバムを引き合いに、「21歳で『わすれもの』だから、今回は〝ものわすれ〟」と古希らしいネタで会場は大爆笑。吉田さんのギターが奏でる「精霊流し」のトレモロに、800人の観客から拍手が沸き起こり、2人は「50年お支えくださって、ありがとうございます」と頭を下げました。楽曲と盛りだくさんのトークで、予定の2時間を30分も超えるハッスルぶりでした。グレープ50周年を祝してグレープジュースで乾杯!の場面では、観客から盛大なる拍手に包まれた二人です。「ギター弾きっぱなしで、吉田も自分も指がヘロヘロ。昨日から首も回らない。借金以来です」と会場を笑わせました。

 さださんは「グレープは進化しています」と力を込め、「またやるから。アルバム発売記念とか言って」と宣言。吉田さんがすかさず「でも今日のコンサート(公演タイトルに)『一夜限り』って謳ってるけど」とつぶやくも、対してさださんは「昼間(=15時)に始めちゃったからさ」とニヤリ。来年も円熟味を増したステージで、ファンを魅了してくれることでしょう。さださんは、「全国一夜限りののコンサートをやろう、ってなった時に、吉田が『同窓会はつまらないから、新しいことをやろう。新曲やろう!』って言うから、EP?って聞いたらLP(アルバム)って!!それでまだ数曲しか出来てないけど今、アルバム作ってます。21歳の時に出したグレープの1stアルバムが「わすれもの」というタイトルだったから、今回は「ものわすれ」ってタイトル、閃いちゃったんだよね~昨日思いついて寝られなくなった」と笑わせ、吉田さんも「それ、オレへの嫌み?」と、息の合ったトークでライブを盛り上げました。さださんも「ギターも歌もうまくなっている。これからも進化していきます。アルバムを作ると、またステージに立ちたくなる。これからも走れるところまで走っていきたい」と呼応し、ライブの継続にも意欲を見せました。「グレープの頃のノリとは若干違うけど、ソロでやる時とは違う温度感。だんだんグレープになっていったのかな」と振り返りました。「50年経ったのが夢のようです。時間を大切に大切に、どこまで走ることができるのか、これから戦っていきたいと思います」と、言葉に力を込めたさださんでした。

 終演後には「感無量です。格別達成感があるわけでもなく、喪失感があるわけでもなく、普通にできたかなっていう感じ。明らかにソロでは味わえないステージ」と振り返りながら、吉田さんに感謝しました。2月の新アルバムに期待しましょう(私はいつものように「五番街」に予約しました)。♥♥♥

カテゴリー: 私の好きな芸能人 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中