「ラピスラズリの涙」

 「泣き歌の貴公子」林部智史(はやしべさとし)さんのアルバム『まあだだよ』(2021年1月20日リリース)は、 シンガーソングライターの小椋 佳(おぐらけい)さんが、林部さんのために書き下ろした新曲全 8 曲を収録しています。小椋 佳さんは、1971年に 1st アルバム『青春~砂漠の少年~』をリリースしてから 、2021年が50周年目で、節目の年に歌手活動に幕を 引き、2021年春からファイナルツアーを行いました(ステージでは気の毒なくらい声が出なくなっていましたね)。そんな日本の音楽界のレジェンドが歌に託し た想いを受け止め、次世代を担う林部智史さんが、貴重な音楽遺産として歌い継いでいくアルバムとなっています。小椋 佳さんが歌に託した想いを、林部さんが抜群の歌唱力で歌い上げます。その中でも特に印象的な1曲が「ラピスラズリの涙」でした。愛する人に突然先立たれ、孤独に苛まれながらも、最後には「前向きに生きていこう」という女性の心情を歌った曲です。

 小椋 佳さんは、この曲を文豪・芥川龍之介をモチーフにして作ったと語っておられました。芥川は、1927年(昭和2年)7月24日未明、『続西方の人』を書き上げたあと、斎藤茂吉からもらっていた致死量の睡眠薬を飲んで服毒自殺しました。享年36〈数え年〉、満35歳のことでした。

 小椋さんは、「ラピスラズリの涙」は、残された奥様さんの気持ちを綴ったというお話をされていましたよね。そしてご自身も若い頃、自殺願望があったとも…。大事な人・大切な人が亡くなった哀しみということだけなら、ある程度の年齢になれば、誰しもが経験している哀しみだと思いますが、小椋さんが 芥川龍之介の話をされてからは、 この歌を聞くときの気持ちは複雑です。林部さんの歌唱力もですが、小椋さんの詞の美しさ・深さも味わいたいものです。♥♥♥

「ラピスラズリの涙」

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

愛の暮らしの 居心地の良さに
甘え浸って 過ごしていたわ

あなたの心が いつか侵された
闇の病に 気付きもせぬまま

突然あなたが この世から消えて
わたしひたすら 泣きました

あなた わたしの すべてだったわ
酷(むご)い孤独が 心を苛(さいな)む
瞼(まぶた) 濡らして 涙 溢れ続け
首から 胸に 流れ落ちて

コバルトブルーに 幾重もの数珠
まるで ラピスラズリの 首飾り

あなた失くして 空しい心は
何を支えに 生きろと言うの

もっとあなたを 深く理解して
してあげられること 沢山あったはず

口惜しい悔いに さらに涙落とし
五連 ラピスラズリの 首飾り

涙 尽き果てたら 生き直してみよう
キラリ ラピスラズリの 首飾り

カテゴリー: 私の好きな芸能人 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中