奈良のシカはすごい

 「驚くシカない発見」です〔笑〕。奈良公園(奈良市)のシンボルで、神の使いとして古くから保護されてきた「奈良のシカ」が、独自の遺伝子型を保っていると、福島大、奈良教育大、山形大の研究チームが、米国哺乳類学会の学会誌に発表しました。1000年以上前から人間に近い環境で生息してきた結果、独自性が維持されたと考えられる、といいます。

 2000年から、紀伊半島(奈良、和歌山、三重、京都南部)に生息するニホンジカを対象に調査が行われました。計294頭から筋肉や血液のサンプルを採取し、母から子に遺伝するミトコンドリアDNAを解析。その結果、全18種の遺伝子型を確認しました。このうち奈良のシカは他地域のシカと近縁ではあるものの、独自の遺伝子型を持つ1種だけであることが明らかになったといいます。6世紀頃(古墳、飛鳥時代)、紀伊半島に広く生息していたシカの集団から枝分かれして以来、独自の遺伝子を保ってきたというのです。さらに詳しく調べると、奈良公園の32頭には、他にはない独自の遺伝子型があることが判明。1400年くらい前に元の集団から分かれ、奈良公園の集団内で繁殖する中で生じた独自の遺伝子型が受け継がれてきた、と結論づけました。

   国の天然記念物に指定されている奈良公園のシカは、古くから「神の使い」と言われ手厚く保護されてきました。このシカが科学的にも特別だということが分かったのです。奈良公園に住むシカは「ニホンジカ」で、約1,200頭いて国の天然記念物に指定されています。768年創建の春日大社(かすがたいしゃ)「神の使い」として保護したことが起源とされます。明治以降は殺傷禁止区域が設定され、「奈良のシカ」として、国の天然記念物に指定されました。狩猟や開拓でシカのすみかがどんどん減っていく中で、宗教的に保護された集団が独自性を保ったわけです。春日大社の花山院弘匡(かさんのいんひろただ)宮司は、「奈良公園のシカが科学的にも特別であると分かり、驚いている。自然と人と動物がどのように関わり、共生していくかを考えさせる存在だ」と語っています。

 最近では、コロナ禍で好物のせんべいをくれる観光客が激減する中、凶暴性を増している、との報道もなされましたが、せんべいをもらってお礼をする(?)(⇒コチラに詳しく書きました)など人なつっこい面もあり、とても愛くるしい存在です。「奈良の鹿愛護会」により、24時間体制で見守られてきました。私も数年前、奈良公園でシカと一緒にのんびりとした悠久の時間を過ごしたのを覚えています。♥♥♥

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