検定教科書に1,200箇所も誤り?

 驚くべきニュースです。教科書会社最大手の「東京書籍」が発行した高校地図の教科書で、約1,200か所の訂正があったことが判明しました。12箇所や120箇所じゃありません。1,200ですよ!教科書は、昨年4月から全国の高校1年生が使用しており、文部科学省教科書検定にも合格していました。教科書配布後の昨年4月、学校の教員から指摘があり、判明しました。教科書は全国で約3万6000冊使われていたそうです。同社は今年1月から訂正済みの教科書を再配布しており、2月6日時点で約2万5000冊の再配布の要望がありました。一度検定に合格した教科書を再配布するのは、異例中の異例の事態です。

 同社によると、約1,200か所の訂正があったのは、『新高等地図』(全192ページ)。内訳は、誤記や位置の誤りが約50か所あったほか、索引と地図とで地名の表記が異なるものなどが約600か所、都市などの掲載場所を示す索引のページや記号が誤っていたものが約400か所。地名変更など社会情勢の変化に伴うものが約150か所ありました。地名の誤記では、南米の「ドレーク海峡」が「マゼラン海峡」とされ、中国内陸部の「陝西省」が「山西省」と表記されていました。 

 このような大量の訂正が生じた理由について、同社は、①高校の新学習指導要領に合わせて大幅に内容を作り替え、制作スケジュールが遅れた ②地図専門の編集プロダクションに作業を委託していたが、新型コロナウイルスの影響で双方の担当者が在宅勤務となり、連絡手段が対面からメールや電話になったため、校閲作業で正確な指示や伝達ができなかった、などと説明しています。東京書籍「多くの修正箇所が残ったまま教科書が配布されたことは大変申し訳なく、痛切に反省している」とコメントしています。

 私も長年辞典の編集に携わっていますので、どんなに念入りにしっかり校正しても、誤記・誤植が避けられないものであることはよく承知しているつもりですが、それにしても多すぎますね。いかなる理由があろうとも、極めて杜撰な編集と言わざるを得ません。

★文科省の応対がひどすぎる!!

 さらに、話は続きます。文部科学省検定教科書課の担当者の見解が驚きです。「こうした結果になったことは遺憾だ」としながらも、「検定結果が不適切だったとの認識はない。最終的に網羅的な校正は教科書会社の責任で行われるものだと考えている」だそうです。あり得ないコメントです。「遺憾」というのは、「期待したようにならず、心残りであること。残念に思うこと」という意味です。まるで人ごとですね。文科省の検定に合格させて自分たちがお墨付きを与えた教科書がこれだけ間違っていても、自分たちの責任ではないという厚かましさ、常識では考えられません。いったい検定で教科書のどこを見ているのか?何のための教科書検定だ?と聞きたくなります。こんな無責任な役人の下で働かされる私たちはたまったものではありません。もっと声を上げるべきです。一般社会でこのようなことは通用しません!!今までにもこういうことは何度もありました(最近の同省の杜撰な笑い話はコチラをご覧ください)。♠♠♠

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