第5問の新傾向

 今年の「共通テスト」リーディング第5問は、昨年の本試・追試と異なり、物語文」でした。昨年までは伝記が出題されていただけに、ビックリした受験生もいたことでしょう。「部活動の経験と兄との会話を通して学んだ教訓」のお話でした。最近多いコミュニケーションが苦手な子どもたちに対する対処法を、「卓球」というスポーツの経験を通して語っていました。心温まるいい話です。

 そういえば、かつてのセンター試験時代の第5問は、「物語文」が出題されていました。それもほとんど全てが「いい話」でした。私は「物語文」の扱っているテーマを詳しく分析したことがあります。「愛」「友情」「親切」をテーマにしたほのぼのとした物語や、「人間の成長」「挑戦」を描いた日常の苦労物語、「冒険」「ミステリー」など。いずれもがハッピーエンドで終わるいい話が満載でした。来年度の第5問対策には、このセンター試験の第5問の過去問が利用できますね。

 今回の私のオンライン講演会に先立って、先生方から数多くの質問が寄せられました。できる限り講演内で触れるようにして、お答えしたつもりです。また、最後の質疑応答の時間にも司会の方からいただいた幾つかの質問に触れさせていただきました。その中の一つに「センター試験の過去問の利用は効果があるかどうかをご教示いただけますと幸いです」というものがありました。例えば、上の話題で明らかになった物語文(いい話)の演習には、センター試験の過去問が利用できます。単独の文法問題は出なくなったので文法の勉強は不要、といった誤った考え方がありますが、正確に英文を読み解くためには基本的な文法知識は不可欠です。私はセンター試験で過去に出題された英文法の4択問題を分類整理したプリントを作って、三年間の英文法の総復習をやっています。重要ポイントを振り返るには絶好の教材だと思っています。講演内でも触れましたが、私の『センター試験英語過去問題集 文法・語法頻出17項目の演習 TREND 17』(桐原書店)が整理にはちょうどいい教材だったんですが、絶版になってしまったので、そのアプリが「きりはらの森」でダウンロードして無料で利用できます。これはセンター試験の全ての文法4択問題をクイズ感覚でランダムに出題してくれる優れたアプリです。ぜひ使ってみてください。また、センター試験のリスニング問題1回読みで演習するのも効果的です。最近公表された「試作問題」(2025年)では、ライティングの要素がふんだんに入った問題となっています。この対策にも過去のセンター試験の第3問が使えそうです。センター試験は今でも使える問題の宝庫なんです。♥♥♥

カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中