十津川警部最終作品

 日本のミステリー界に燦然とその名を刻む、森村誠一、故・西村京太郎。両巨匠によって生み出され、2時間ドラマとして長きにわたって人々に愛されてきた『終着駅シリーズ』と『西村京太郎トラベルミステリー』が、共に終幕のときを迎え、ファイナル作品が昨年の12月に2週連続で放送されました。ミステリードラマのレジェンドともいうべき存在である2つのシリーズが、12月でついに見納めとなってしまいましたね。私はどちらのドラマも、消灯時間を過ぎて病室のテレビでイヤホンをつけて見ておりました。

 ミステリー界の黄金コンビ十津川警部亀井刑事が、旅情あふれる映像を背景に、時刻表や鉄道にまつわる難トリックを解明、事件の裏に潜む人間ドラマを浮かび上がらせてきた人気シリーズ『西村京太郎トラベルミステリー』は1979年にスタートしました。以来43年間にわたって、時代を反映した列車や時刻表のトリックをドラマに取り入れるなど、意欲的な挑戦を続けてきました。当シリーズの歴史イコール、日本の2時間ドラマ史そのものといっても、過言ではありません。2000年放送の34作目で初代・三橋達也さんから十津川警部役を受け継いだ高橋英樹さんは、第73弾となるファイナルまで、40作品で主演。また、高田純次さんは2012年、長らく亀井刑事を演じてきた愛川欽也さんに代わって登場し、味わい深い演技で10年間、高橋さんと名コンビを組んできました。2022年12月29日(木)放送の最終作「十津川警部のレクイエム」では、十津川の部下・柿沼刑事が、亡き妻とそっくりな女性と心中するという痛ましい事件で幕を開けます。柿沼の死について調べていくうち、十津川たちは事件の背後に横たわる巨大な闇に突き当たることになります。大切な部下を失った十津川が「仲間を殺した殺人犯を、この手で殺したいと強く感じています!」「あなたが犯人なら、あなたを殺す!」などと、これまでにない強い言葉で怒りをあらわにするシーンが印象的です。さらには、十津川が拳銃を抜くシリーズ史上初の場面も描かれました。ファイナルらしい衝撃の展開となるラストは必見でしたね。過去に渡瀬恒彦や内藤剛志が演じた十津川警部が銃を構えたことはありますが、髙橋さんが拳銃を手にしたことはありませんでした。仲間が殺されたことに対する憤り、悪に対する刑事としての怒りが集約された迫力ある「鬼の表情」でした。

 この『西村京太郎トラベルミステリー』で十津川警部、亀井刑事という名コンビを演じてきた高橋英樹さん、高田純次さんがそれぞれ作品への思いやファンへの感謝を語りました。22年にわたって十津川警部を演じてきた高橋英樹さんは、「『西村京太郎トラベルミステリー』は旅、鉄道、そして事件…と日本人が好きな要素が網羅されている、2時間ドラマの原点のような作品で、西村京太郎先生の真骨頂。先生が書き続けてくださったおかげで、73作まで重ねることができました」と、今年3月に世を去った西村先生に感謝。いつも冷静な十津川が最終作で初めて激しい怒りを表明することにも触れ、「仲間が殺されたことに対する怒り、それから悪に対する刑事としての怒りが集約された結果なのですが、非常に珍しい十津川像が描かれています」と、ファイナルにふさわしく、十津川の真なる感情を深掘りして見せたことを明かしました。また、第58作から亀井刑事を演じてきた高田さんは「もう亀井刑事を演じて、10年になるんですね…。歴史ある素晴らしい作品に参加できて本当に光栄でした」と、しみじみと回顧。この作品のロケがコロナで延期になったこともありました(⇒コチラです)。「今回だけは5時間ぶっ続けで放送してほしいと思うぐらい、長いロケにもしっかり臨みました。とにかく余すところなく隅から隅まで見ていただきたいですね」と力を込めて語っていました。人間の善と悪の両面が丁寧に描写されたドラマでした。これで最後かと思うと、時代の流れを感じずにはいられませんでした。♥♥♥

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