祝♥WBC優勝!

 侍ジャパンが強豪・アメリカ(年俸総額なんと518億円のチームです)を3―2で破って優勝しました。栃木県那須町の「那須どうぶつ王国」で大型インコの「オリビア」が、これまで6連続で日本代表の勝利を当てていたのですが、約60人の来園者が見守る中で占いを開始。約2分間悩んだ末に、日本国旗を加えて飼育員に届けました。今までとは違って、大分悩んだようですが、激戦の末に大勝利をあげてくれることを予言しました。結果はその通りになり、今回も見事予言的中でした。陰のMVPは案外このオリビアくんだったかもしれません〔笑〕。MVPは二刀流・大谷選手というのはみなさん納得だと思いますが(試合前の声出し「米国には野球をやっていれば、誰しもが聞いたことがあるような選手たちがいるけど、今日はメジャーの選手への憧れをやめましょう。憧れてしまったら超えられない。僕らは超えるために、トップになるために来た。憧れを棄てて、勝つことだけを考えていきましょう」は、かつてのWBCでのイチローの声出しの言葉と同じでした)、八幡のMVPはちょっと違います(巨人ファンとしては、岡本のホームランや戸郷のナイスピッチングと言いたいところですが)。

 私の挙げるMVPは指揮官・栗山(くりやま)監督です。暗闇のどん底で不振を極める主砲・村上選手を信じ続けて使い続けました。「世界がびっくりするような打者。彼を信じる気持ちは揺るぎない」「最後はお前で勝つんだ」と言い続け、信じ続け、我慢して起用し続けた栗山監督。大会では好機での凡退が続き、何度も悔しい思いをしました。準決勝イタリア戦の最終回。この打席まで4打数無安打。「少しバントもよぎった」場面、城石内野守備・走塁兼作戦コーチから「監督がおまえに任せたと。思い切っていってこい」と耳打ちされ、腹をくくってフルスイングして、劇的な逆転サヨナラ勝ちにつなげました。決勝アメリカ戦でも同点ホームランを放つなど完全復調でした。栗山監督は長い指導生活で、選手が好機で三振しても、守りでエラーをしても、怒ったり、非難したりしたことは一切ありません。「勝ち負けの責任は自分にある。怖がらずに思い切って野球をやってほしい」と言い続けているのも、選手には失敗を恐れずに持てる力を存分に発揮してほしいからです。不振が続いた村上選手に関しても「ただひたすら信じて前に進むだけ」とかばい続けました。このような考えの基底には、自身の苦労人生が反映しているようです。東京学芸大を卒業後、ドラフト外でヤクルトに入団したものの、プロの世界で厳しい現実を突きつけられてもがき苦しんでいた頃に、「人と比べるな。お前がちょっとでも良くなってくれたら、それで満足だ」とコーチに声をかけてもらって救われたと言います。他の選手と比較すると、自分はできないと思って余計に苦しみ悪循環に陥ります。大切なのは、自分自身が少しでも成長しようとすることだと気づかされます。「僕はそんなに能力がある人間ではない。ただ唯一できるのは、誰よりも情熱を持ってやること。結果は別として、できることはそれしかない」このひたむきさがチームを世界一に導いたものと感じました。

 二人目のMVP。ショートの名手・源田(げんだ)選手。右手小指を骨折しながらも、痛みに耐えながら守備で光りました。「背面キャッチ」もさることながら堅実な守備は安心して見ていられます。今日本で一番うまいショートでしょう。テーピングで固定した小指を浮かせながら犠打やヒットを放つなど、打撃面でも貢献しました。準決勝メキシコ戦で、3点ビハインドで迎えた7回一死一塁の守備。フルカウントから打者は空振り三振で、スタートを切っていた走者は、ヘッドスライディングしながら左手を引っ込めて源田選手のタッチをかわすトリッキーな動きを見せてセーフと判定されました。栗山監督のリプレー検証要求の結果、約3分半の長い検証の結果判定が覆りました。一度はベースに触れた走者の右手がわずかに離れた瞬間に、源田のグラブが左足に触れていたと見られます。今「源田の1ミリ」と話題になっています。「甲斐キャノン」とのコンビネーションで奪ったこの三振併殺が試合の流れを変え、直後の吉田選手の同点3ランホームランにつながりました。ここでも骨折した選手を重要な場面で使い続けた栗山監督の眼力が光ります。

 もう一人は周東(しゅうとう)選手。準決勝1点を追う9回、無死1、2塁。しびれる場面です。周東は一走の代走として起用されました。その前の得点チャンスでは周東ではなく中野選手を代走に使い、最後の最後まで切り札として取っておいた栗山監督のファインプレーと思いました。村上選手のセンターオーバーのヒットで、速いわ、速い、2塁走者の大谷を追い越しそうなスピード違反です。割れんばかりの大歓声の中、1塁から10秒28で帰ってきました。ここぞの場面での「神走塁」のサヨナラ勝ちでした。

 明らかに格上のアメリカになぜ勝てたのか?私の尊敬する野村克也さんが生きておられたら、「弱者が強者を倒す論理」と喝破されることでしょう。アメリカは確かに打線は超一流選手揃いですが、投手陣はちょっと見劣りがします。いくら打線に期待しても、打線は水もの、不振なら敗れるしかなかったのでしょう。昨シーズンのWAR(貢献度を表す指標)上位に入る投手は誰も出場せず、最も上位が昨季33位のケリーでした。日本の投手陣(今永―戸郷―髙橋―伊藤―大勢―ダルビッシュ―大谷)と比べるとかなり見劣りがします。チーム防御率2.29は出場チーム中1位。相手がとまどう中、対策をさせずにこまかいマシンガン継投作戦で乗り切った栗山監督の作戦勝ちでしょう。鉄壁の投手力に支えられた王座奪還でした。よかった、よかった!!♥♥♥

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