桜前線

▲松江城も満開の桜

 桜が美しい季節になってきましたね。「桜前線」は日本列島を徐々に南から北へと移動していきます。その速度は、一日ほぼ20キロと言われています。

 このことについて、大好きなさだまさしさんが、かつて学校教育論を展開していました(『本気で言いたいことがある』(新潮社))。「桜前線は一日20キロ進みます」と学校で教えても全く実感がない。「桜前線は一日20キロ進みます」というところから始めて、じゃあ一秒間にどのくらい進むのかな?とちゃんと子どもたちに計算させてみる。すると、23センチちょっとくらいと分かるわけです。ここで身の回りにある23センチのものを探してみようと尋ねる。すると誰かが、「お母さんの足の大きさだ」と発言する。春というのは、女の人の足の大きさ程の速さで、しゃなりしゃなりと近づいてくるものなんですね。こういう説明の仕方をしてやれば、子どもたちはきっと忘れないし、うんと楽しく勉強できるのではないか、教室は楽しくなるんじゃないか、と。お仕着せで「桜前線は一日20キロ。はい、覚えましょう」と言っても、それだけでは興味も湧かないし覚えてもすぐ忘れてしまう。それを「こないだ教えたのに何で覚えてないのか?どうしてわからないの?」などと厳しく問い詰められたら、誰でも勉強嫌いになってしまいます。非常に示唆的な学校教育論と感じました。教えることに自分なりの価値観を持っている先生は、さまざまな場面で応用がきくのです。実に参考になる意見でした。

▲大山の山麓も満開の桜

 こうして子どもたちが「桜前線」に興味を持ったら、次は「桜満開の法則」を教えます。桜が満開になるのは、開花日から毎日の最高気温を足していって、それが125度になる頃なんだそうです。そこで毎日の最高気温はどのくらいかを調べて、これからの気温を予測して、いつ頃満開になるかを計算して予想する。そして当たるかどうかを検証する。十分楽しいですね。ちなみに「満開」というのは八分咲きのことです。九分を超えると散り始める花も出てくるので、一番綺麗なのは八分くらいなんです。そこで先生がテストの得点に関しても、「八分が一番なんだから、80点でいいじゃないか!」などと言ってくれたら、救われる生徒はさぞや多いことでしょうね。子どもたちの点数に対する意識も変わってくるのではないでしょうか。♥♥♥

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