多義語otherwise

 仮定法の学習でよく出てくるotherwiseという単語があります。「もしそうでなければ」という意味ですね。ところが、難関大学の入試問題を演習していると、読解問題ではこれ以外に、「その他の点では」とか、「別の方法で」という意味も出てきますから厄介です。丸暗記組はすぐに忘れてしまうことでしょう。力のない生徒はいつでも「もしそうでなければ」と訳して、つじつまがあわなくなって困り果ててしまいます。

  「その他の点では」「別の方法で」という意味のotherwiseがよく出てくるんです。そうです、otherwiseには、①「もしそうでなければ」(=if …not)、②「その他の点では」(= in other ways)、③「別の方法で」(= in a different way)、という三つの意味があることを頭に入れておく必要があるんです。ここで生徒に尋ねます。「何でこんな意味が出てくると思う?丸暗記する?」 以前毎年3月に実施されていた、松江北高の伝統的な「学問探求講座」で、私はこういった問題を数多く取り上げて、生徒と一緒に考えていました。他校には見られない松江北高の長い伝統に裏打ちされたユニークな行事でしたが、受験に関係ないということで廃止されてしまいました。最後まで反対したのは私を含めてわずか二人でした。⇒詳しくはコチラです

 otherwise は、歴史的にother + ways  ← other + way + sから派生した単語です。最後の-s副詞の状態を表す語尾の-sで、英語にはかなり見られます。always, sometimes, nowadays, besides, towards, indoors, upstairs, downstairs, perhapsなど、みなそうですね。そこで、wayがいろいろな意味を持つ(「状態」「点」「方法」)ことに着目すれば、「他の状態では」⇒もしそうでなければ、「他のでは」⇒、「他の方法」⇒、と考えれば一目瞭然ですね。このように元の成り立ちを理解することで、これらはスーッと頭に入ってきて、そして忘れません。私はこのことを説明した後で、忘れないように「別の 点 なければ」と、ゴロ合わせで覚えておくように指導しています。ちょっとしたことなんですが、otherwiseのこの知識が大きく物を言うことがあるんです。副詞clockwise(時計回りに) crosswise(斜めに)が出た時にも応用できますね。

 「なぜだろう?」とよく分からずに悶々としていたことが、ダダダーと崩壊して、「あー、そうだったのか!」と納得できたことは絶対に忘れません。私はこれを「あー、そうだったのか体験」と呼んで(作家の梨木香歩さんにヒントをもらいました)授業の中で強調しています。♥♥♥

カテゴリー: 英語指導に関して パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中