杉乃井ホテル「宙館」(1)

 温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇り、「おんせん県」を名乗っている大分県で、人気の温泉地の1つが、別府温泉です。別府には、日本の源泉の約1割にあたる2,200の源泉があり、あちらこちらから湯煙が立ち上る風情たっぷりの街です。ちなみに、別府の湧出量は毎日およそ5万トン。一般的なバスタブを200リットルとすると25万個分。別府市の人口が12万人弱ですから、1人2回お風呂に入れる計算になりますね。私はJR小倉駅から大好きな「特急ソニック」に乗って別府駅を目指しました。

▲「宙館」の正面

▲「宙館」のフロント

 そんな別府温泉を代表するホテルの1つが、1944年(昭和19年)開業の老舗のお宿「別府温泉 杉乃井ホテル」です。長年にわたり、さまざまな施設をオープンさせながら、少しずつ規模を拡大し、西日本を代表する大型温泉リゾートへと成長しました。山の上の広大な敷地に、数々の宿泊棟がそびえ立っています。そして今は、2025年に完了する大規模リニューアル(星館」)の真っただ中です。2021年に「虹館」がオープンしたのに続き、2023年1月にはワンクラス上の滞在が叶うフラッグシップ棟「宙館(そらかん)」が誕生しました。別府の風をイメージしたという外観の意匠が目を引く「宙館」は、336室と大規模なので、外観も堂々とした佇まい。それでいて、ゲストを穏やかに迎え入れてくれるような親しみやすさも感じます。今回私は、股関節手術のリハビリ温泉湯治目的として、この「宙館」に泊まってきました。

 「宙館」の大きな特徴が、館内に温泉と巨大レストランがあること。すでに「杉乃井ホテル」には、大展望露天風呂「棚湯」やワールドダイニング「シーダパレス」などの自慢の温泉やレストランがあるのですが、施設の広さゆえにそれぞれ独立していたのです。施設間はシャトルバスが走っていますが、1つの館内で食事や温泉を楽しみたいというお客様もいらっしゃったことから、この「宙館」はそうした声にも応えたものです。

 「杉乃井ホテル」の敷地内でもっとも高い場所に位置し、天空の絶景が見渡せることから、“大空の上に広がる果てしない宙(そら)”をイメージして命名した「宙館(そらかん)

 洗練されたデザインでくつろぎの時間を過ごすことができる客室や、海抜約250mから望む大パノラマの展望露天風呂、地元食材を使用した多彩な料理が並ぶレストランなど、別府の魅力を壮観な眺めとともに楽しむことができます。


 別府の海と山に囲まれた豊かな自然を表現したデザインと、雄大な景色を望める大きな窓が特徴のくつろぎと開放感のある客室は、リゾートならではの解放感あふれる空間です。

▲広々としたお部屋

それぞれの客室には3つのテーマカラーを用意しています。
・別府湾からのインスピレーションを受けた深いブルーの色調を重ねた「青海」
・鶴見岳など別府を囲む山々にある豊潤なグリーンをイメージした「森林」
・波が穏やかな夕暮れ時のゆったりとした様子を捉えた「夕凪」

会話を楽しんだり、ゆったりとくつろいだり、思い思いに過ごすことのできる設備を整えた、大切な人達との思い出づくりに最適な空間です。

▲海側のお部屋を予約した 山側よりもお値段高し!

 館内施設の混雑状況表示や事前精算機能などが付いた客室タブレットを全客室に設置しており、ストレスフリーで快適な滞在を提供。また、館内の随所にアートが飾られ、上質感を演出しています。

 ホテルのインテリア・デザインは、豊かな別府の海と山を象徴したデザインです。エントランスからロビーに至る壮大な壁面は、世界で活躍する左官職人である久住有生氏のアート作品です。高さ約4m・長さ約25mのこのアートは「風土」をテーマに掲げ、別府の山々から吹き下ろす風が別府湾にたなびくイメージを具現化したものだそうです。窓を大きく取り、ペンダントライトやハンギングチェアなどを配したフロントは、リゾート感のある雰囲気ですが、華美にならず落ち着いたラグジュアリー感が心地よかったです。

▲素敵なフロント

 別府市にゆかりのある工芸品やアーティストの作品もあります。ロビーに飾られた花台は、代別府在住の陶芸作家・坂本和歌子さんの作品。テーマは「水面」。別府湾の水面が朝日に照らされてやわらかに輝いていることからインスピレーションを受けたと言います。このほかレストランや大浴場の脱衣所など、館内各所で竹細工や小鹿田焼などの地元のアートを見かけます。♥♥♥

▲広々としたロビー


カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中