be willing to…という成句の意味を、「喜んで…する」と今でも平気で教えておられる先生がおられます。私は学生時代、アメリカ人の恩師からホームパーティに招待された時に、”I’m willing to go.”と何度も応答して、「来たくなければ来なくてもいいよ」と冷たく言われた経験を思い出します。「そんなつもりはないのに…」と、当時はチンプンカンプンでした。その後、いろいろと調べていくうちに、will(意志)の形容詞がwillingだということに行き着いたんです。これはあくまでも「…する意志がある、…してもよい」というニュアンスで使われることが、小説やネイティブ・スピーカーの観察から分かってきました。さすがに今の辞書にはちゃんと書いてありますが、当時は堂々と「喜んで…する」だけだったんです。学校でも、単語集でもこの訳語だけだったと記憶しています。ここで面白いのは、この単語の副詞形であるwillinglyは「喜んで」の意味だということです。英語って難しいですね。
『ライトハウス英和辞典』(研究社)の改訂の度に、M.アルトハウス教授(津田塾大学)の語感鋭い書き込みを読ませていただくのですが、本当に英語って一筋縄ではいかない、と痛感するんです。そんな現場で誤解されている英語ばかりを集めて、一年間連載したのが、「Bolinger博士の語法診断」『現代英語教育』4~3月号(1990年~1991年、研究社)です。また、辞典の問題点を、「英和辞典のウソ」と題して『高校通信東書英語』(1983~1984年、東京書籍)に連載を持たせてもらいました。そこで述べていることは、今でも十分あてはまることばかりです。興味のある方はバックナンバーで読んでみてください。



