ハウステンボス

hausutenbosu みなさんは長崎・佐世保市「ハウステンボス」(オランダ語で「森の家」)に行かれたことがありますか?私は開園した当時に、一度訪れています。英語科のみんなと連れだって行きました。あの頃は長期の休みになると、科で毎年どこか遠方へ旅行していたんです。今ではチョット考えられない時代です。あの広い園内を、端から端まで回り、スタンプを集めて記念品をもらった記憶があります。何をもらったかはもう忘れてしまいましたが(笑)。

 ここは、オランダの街並みを再現する大型リゾート施設として、1992年に開業しました。日本国内最大規模のテーマパークであり、入場者数もピーク時の1996年度には、380万人を記録しています。しかしながら、その後はどんどん入場者数が減少して、経営が危ぶまれ、ついに2003年には会社更生法適用の申請という、深刻な事態に陥りました。開業以来、一度も黒字になったことはなく、約2289億円の初期投資額を解消できなかったことが原因とされています。2003年には野村プリンシパル・ファイナンスが支援企業に名乗りをあげ、更正計画が進められますが、世界金融不況の影響などから、経営再建はままならず、同社も2010年3月には撤退しています。ところが、2010年4月に、旅行代理店業のH.I.Sが新たな支援企業となってからは、状況が一変します。会長の澤田秀雄さんは、人件費などの経費圧縮や、集客力のあるイベントを多数実施するなど、経営策が功を奏して2011年の3月の中間決算で開業以来初めて黒字を記録するのです。入場者数もどんどん増加しており、破綻から約10年で、ハウステンボスは、不死鳥のように見事な復活を遂げたのです。誰が引き受けてもうまくいかなかったあの「ハウステンボス」がよみがえった要因については、澤田さんご自身が『運をつかむ技術 18年間赤字のハウステンボスを1年で黒字化した秘密』(小学館)で詳しく述べておられますので、そちらをご覧ください。指導者のやり方一つでどうにでも変わる、という好例だと思います。また最近では、日本経済新聞長崎支局長の木ノ内敏久さんが、『H.I.S.澤田秀雄の「稼ぐ観光」経営学』(イースト新書、2014年)と題して、18期連続巨額赤字から一転地域経済のドル箱へと変身を遂げた「澤田マジック」の要諦をまとめておられ、面白く読みました。

 なんでも、経営のプロを育てる私塾「沢田塾(仮称)を、ハウステンボス内に来年4月開設する予定のようです。澤田社長自らが講師となり、社内外の20代後半から30代前半を対象に、経営に必要な知識やノウハウ、語学、哲学、リーダー学を実践形式で教え込むとのことです。1学年30~40人程度で、修業期間2~3年、全寮制とし、学費や食費、寮費などは、澤田さんが関係する財団が負担するそうです。成績不振者は「退校」になり、実際に卒業できるのは10人前後と狭き門とする方針です。意欲のある人に来てもらい、世界で通用する人材を育てたい」と澤田さん。この話を『日経』で読んだとき、松下政経塾(松下幸之助)、盛和塾(稲盛和夫)を思ったのは私だけではないでしょう。期待しましょう。

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