普通列車グリーン車

 山陰地方ではちょっと考えられない「普通列車グリーン車」は、東海道線、横須賀・総武快速線、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ライン、上野東京ライン、常磐線の普通(快速)列車に連結されています。2004年10月のダイヤ改正から走り始めました。なにせ他の車両は、超満員のぎゅうぎゅう詰め。のんびりと腰掛けて移動したいですから、そのゆったりした2階建て車両は目を引きますね。私は今までに東海道線熱海・湯河原へ行くのに、「湘南新宿ライン」では大宮まで、そして今回は横浜~東京間で乗りました。グリーン車は、1編成(10両~15両)の中央辺りの4、5号車に連結されており、階段やエスカレーターに近い駅が多いのはありがたいところです。次は車内。

 座席配置は2+2、シートピッチは970mmとなっています。2階席はブルー系のシート、1階席はピンク系・パープル系のシートとなっています。座席はどこも同じ仕様。主な装備としては特急列車の普通車とほぼ同等と考えてよいでしょう。背面テーブル、ドリンクホルダー、網ポケット、小物を掛けられるフック、肘掛け、傘掛け(一部車両)があります。座席の中心に支柱があるため、足元は広々しています。1階席限定の装備として読書灯が設置されています。リクライニング機能(意外と深く倒れます)はもちろん付いていますが、そのボタン周りをみると座面スライドのボタンを設置できるようなスペースがあります。おそらく、E257系普通席の座席がベースのため、わざわざ新規の部品を作らずに流用したためでしょう。2階席の目線は非常に高い位置にあり、観光や景色を楽しみたい人にとってはうってつけで、まずは2階から席が埋まっていくように感じます。1階席はホームの床と同じ高さにあり、正直見てはいけないものを見てしまいそうなくらい低いので注意しましょう。案内表示は、列車種別や現在駅・次駅を案内する最低限のもので、ここはちょっと寂しいところです。普通列車のグリーン車は自由席なので、空いている座席であればどこに座っても大丈夫です。各座席の上にあるグリーン券情報読み取り部に、グリーン券情報を登録したICカードをかざします。赤ランプ空席で、グリーン券情報を読み取ると緑ランプに変わります。これで座席を確保したことになるのです。座席が空いているか否かは,座席上のランプの色を見れば分かるんですね。初めて乗った時には、なんて先進的な仕組みだと感じた事でしょうか。現在、JR東日本の普通列車は座席のカーテンがなくなりつつありますが、グリーン車にはついています。

 このグリーン車に乗るのには、乗車券の他に、普通列車グリーン券を購入する必要があります(写真上)。料金は目的地までの距離と、曜日別(平日・土日祝)に加え、車内購入か事前購入かによって分けられています。他の車両があまりにも混んでいたので、グリーン車に乗ることにしました。車内で、グリーンアテンダントさんが回ってこられた時に買ったのですが、事前購入よりも260円高く取られました。土・日・祝よりも通勤客の多い平日のほうが割高となっています。普通列車グリーン車の停車駅ホームには、Suicaグリーン券専用の券売機もあります。ただし支払い方法はSuicaの残高のみで、現金は使うことができません。

 普通列車のグリーン車は、1階席、2階席、平屋席の3つの区画に分かれています。それぞれに一長一短があります。1階席は乗降扉のすぐ近くにある階段を降りたところです。2階席と比べて人が少なく、車内照明も他と比べて少し薄暗いものが使われていて、落ち着いた雰囲気の中でゆったりすることができます。座席上に読書灯があるのも1階席の特徴で、車窓からはスピード感のある景色を眺めることができます。ただ台車に近いところにあるために、やや騒音がうるさく感じます。2階席は乗降扉のすぐ近くにある階段を上がったところにあります。スペースの関係で、上部に荷物棚がありません。丈夫に1番台車から距離が離れている区画なので、静かに過ごしたい人はここがオススメです。車窓からは、高い視点からの景色を眺めることができるのがメリットでしょう。座席が高いところにあるために,1階席に比べて揺れが大きいことです。平屋席は乗降扉のすぐ近くにあります。デッキと扉で仕切られており、他の区画に比べて座席数が少なく、天井が高いので、空いているとまるで個室にいるような感覚を味わうことができます。階段を使わずにすみ、荷物棚があるのもこの平屋席のみです。台車の真上に位置するので、揺れと騒音がグリーン車の中では一番大きいところです。

 特急の普通車と同等のサービスが展開されていますが、気になるところが2つあります。1つは頭上に荷物棚がなく、大きな荷物は座席の下か前に置かなければいけません。1階でも2階でもなく平屋席も存在し、こちらには荷物棚があるので、荷物が多い場合にはこちらがおすすめです。2つ目はデッキとの仕切り扉がありません。ドアの開閉音や発車チャイムが車両中心部に座っていても割りとはっきり聞こえます。ドア付近は風も吹き込んできます。平屋席は仕切り扉がありますが、車両の両端部にあることから台車からの騒音がうるさいので、結局、どこも一長一短のような気がします。

 超満員の首都圏の電車(横向きに座るシート)を、2階建てのグリーン車で静かに快適に移動ができるんです。こんなに有り難いことはありませんね。♥♥♥

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