「1→10→100」の法則

 お父さんの故・高原慶一朗(たかはらけいいちろう)さんから、2001年にユニ・チャームの社長業を継いで以来、海外市場の開拓をテコに、約15年間で売上高を約3倍に伸ばした高原豪久(たかはらたかひさ)社長。得意分野に特化するとともに、海外市場の開拓を進め80超の国・地域に進出し、売上高は3倍に拡大、全体の6割を海外で稼ぎ出すグローバル企業となりました。その急成長を支える人材育成の秘密には興味が湧きますが、意外にも「人は育てられない、勝手に育つもの」というのがご自身の持論で、育ちたいと願う人がみずから動き、成長できる環境や仕組みづくりに注力されています。その一貫として、日ごろ社内で徹底して欲しいと思われている行動原則が、著書『ユニ・チャーム式 自分を成長させる技術』(ダイヤモンド社、2016年)に詳しく出ています。

 ビジネスにおいては、どんな仕事であっても、成功するまで粘り強く取り組む姿勢が重要なことは言うまでもありません。「思いつくには1の力、実行するには10の力、成功するまでやめないには100の力」という言葉が印象に残りました。アイデアを実行に移すには、アイデアを思いつくまでにかけた労力の10倍が必要で、それを成功させるにはさらにその10倍の労力が必要になるという意味です。この言葉の大元はソニー創業者の井深 大さんの言った言葉の「1・10・100の法則」です。アイデアを出す努力を1とすると、量産化にはその10倍の努力が必要で、利益の出る事業とするにはそのまた10倍の努力が必要という意味です。アイデアを出す力を「1」とすれば、それを成功させるには「100」の力が必要なのだ、と最初から肝に銘じて準備することが大切だということです。

 アイデアを出すだけなら多くの人にできることです。しかし、その段階ではまだ具体的な成果は上がっていません。次は、そのアイデアの実行です。製品開発であれば具体的なスペックを開発すること、営業なら得意先と商談を始めるといった段階です。ここまでに至るには、自分のアイデアを披露し周囲の人たちから賛同を得て巻き込み、密なコミュニケーションを取るなどのさまざまな過程を経なければなりません。それには、アイデアを思いつくまでに費やした努力のさらに10倍くらいの研鑽・努力が必要なはずです。でも、そこで終わりではないのです。行動を始めた後、またさまざまな障害に出会い、諦めずにそれを克服して成功までこぎ着けるには、さらに10倍の努力が必要になります。経営者はそれを成功させ、業績の向上という具体的な成果が出て初めて評価されるのです。

 ある国に新たに参入するときのことを考えてみて下さい。参入するまでの準備にかかる労力が1とすれば、その国の業績が黒字転換するまでの労力は10、さらに累損を一掃できるまでの労力は100にのぼるでしょう。この「1→10→100の法則」は、成功するまで諦めない姿勢を促すだけでなく、経営者の視点でものを考える習慣を身につけるという意味も含んでいます。

 あなたはアイデアを思いついただけで満足していませんか?あるいはそのアイデアを実行、つまり製品化したり戦略化するだけで充足感に浸るようなことはなかったでしょうか?もちろん、それだけでも大変な努力が必要だったと思いますが、ビジネスではその段階では成功とは言えないのです。成功と呼ぶためにはそれまでの努力をさらに上回る努力が必要となることを知っておかねばなりません。


 現代社会では、研究開発から製品化までの道のりはさらに厳しくなっていると言われていますので、もしかしたら「1→100→10000」になっているかもしれません。それでも腐ることなく努力し続けることができなければ成功はしません。アイデアを考えることは本来、誰しも出来ること。通らなくても諦めずに考え続けることが誰しも出来ない成功への道ですね。♥♥♥

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