毎日仕事で大量のコピー用紙を、「ダブルクリップ」で挟んで、鞄の中に入れて持ち歩いています。黒い本体に銀色のワイヤーがついたおなじみのあの「ダブルクリップ」ですね。松江駅の「ドトール」で、米子往復の電車の中で、駅のホームでの待ち時間に、ご飯を食べに入ったレストランで、授業の合間に、時間を見つけてはお気に入りの「エナジェルインフリー」(ぺんてる)のピンク(0.7㎜)を使ってブログ原稿や授業プリントの校正をしています。持ち歩く原稿が溜まってきて分厚くなってくると、小型のクリップでは挟むことができないので、より大きな「ダブルクリップ」が必要になってきます。最も大きなものは、文房具の専門店に行かないと手に入りませんので、白潟本町にある「原文タイプ パピロ21」で購入しています。
さらにずっと大きな「特大」クリップが、私のよく行く東京の文具専門店「伊東屋」などには売られています。東京大学・京都大学志望者のために私が編集した「英語演習プリント&解説」が300枚ほどあるんですが(写真下)、これを留めておくためには、この「特大」サイズが必要になってきます。どれくらい大きいかは、ミニと比較してみるとよく分かります。
なぜこれを通称「ダブルクリップ」と呼ぶのか不思議でしょう?クリップの持ち手(ワイヤー部分)を折りたたんで横から見るとアルファベットのWの形をしています。このW(ダブリュ)がダブルと変化したものらしいんです。この「ダブルクリップ」はテコの原理を利用してレバーでクリップを開くようになっています。結局、横から見た形がアルファベットの「W」に見えるから、「ダブルクリップ」ということなんですね。「ダブルクリップ」というのは日本独自の呼び方で、英語では“binder clip”や“foldback clip”と呼ばれています。
この「ダブルクリップ」は、1910年にアメリカのルイス・エドウィン・バルツレー(Louis E. Baltzley)氏が発明したものです。発明の背景には、彼の父親が原稿や書類をまとめるのに苦労していたことがあった、と伝えられています。・厚い書類も束ねられる ・穴を開けなくてもよい ・何度でも付け外しができる という特徴を持った便利なクリップが考案されました。ワイヤーレバーを使ってテコの力で板バネの口を開く基本構造は、100年以上前の発明段階からなんら変わっていません。実際に出された特許の書類と比べても、見た目は現在の市販品とほぼ一緒ですね。2~100枚を超える紙を簡単に束ねられて、不要になればすぐ外せて元通り。100年以上の長きにわたって進化する必要がなかったぐらいに、優れた製品なのです(材質は多少進化している)。100年以上も前󠄂の発明品なのに、今でもオフィスや家庭で現役というのは、工業デザインの成功例としても有名です。とはいえ、欠点が存在しなかったわけでもありません。自分で「ダブルクリップ」を使ってみればすぐに「ははーん、アレだな」と分かると思いますが、とにかくバネが固いのです。100枚以上の紙をがっちり束ねる必要上、板バネの弾力はどうしても強くなってしまいます。その弾力を細いレバーでグイッと広げるのですから、いくらテコの力を使っているとはいえ、なかなかの腕力が必要になってくるのです。弾力が強い特大サイズともなると、女性やお年寄りにとっては使うのもイヤだなと感じるレベルでしょう。近年、プラスから「エアかる」という画期的な「ダブルクリップ」が出て100年越しの進化が話題となりました。「てこの原理」を応用した新機構によって、開く力を従来品比で最大約50%に削減し、空気のように驚くほど軽く開くことができるダブルクリップです。名称の「エアかる」というのは、空気のように軽く開けられるという意味です。







