in case of

◎今週は英語語法特集!! 

   in case of~という熟語を「~の時には」「~の場合」と単純に理解している人も多いと思います。しかしこの表現は予期できない時や、または起こったら困る・大変な時になどに使う場合が多いイディオムです。もちろんそのような場合に限って使われるわけではありませんが、実際にネイティブスピーカーの感覚では、「万が一の事態に備えて」「起こる可能性は低いが(予防策として)想定しておくこと」について使われることがとても多いのです(デイビッド・セイン先生の指摘)。起こったら困る、避けたい事態です。そのことを踏まえ『ライトハウス英和辞典』(7版)では「(万一)…の場合には[のために]」と定義しています。下のような使い方が普通です。これらはまさに起こったら困る・大変な時です。もしそうなったら大変だから、今のうちに備えておく、という文脈で使われるのが一般的なのです。背後に「不測の事態への不安」や「リスク管理」の視点があります。

In case of an earthquake, get under a table.(地震が起きたらテーブルの
下にもぐってください)
In case of an accident, call an ambulance.(事故に遭ったら救急車を呼んで
ください)
In case of a fire, exit from this door.(火事が起きたらこのドアから出て
ください)
In case of trouble, call this number.(困ったことが起きたらこの番号に電
話しなさい)
In case of fire, use the stairs. (火事の場合には階段を使ってください)
Take an umbrella in case of rain.(雨が降った場合に備えて傘を持っていき
なさい)
In case of rain the event will be cancelled.(雨の場合はイベント中止)

 起こりうる、またはいつ起きても不思議ではない状況では、ifやwhenを使います。

If you get an order, please let me know.  (注文を受けたら、知らせて下さい)

cf.  In case of an order, please let me know. (万が一注文を受けたら(来ないはずだが)、知らせて下さい)

If you see Mary, say hi to her for me. (メアリーに会ったらよろしく伝えて下さい)

ただし、in case of~は困らないことや中立的なことにも使うことはできます。必ずしも悪いことや予期できないことだけに限られるわけではありません。

In case of questions, please ask the teacher. (質問がある場合には先生に聞いて下さい)

 in case of と in case S+V の違いを見ておきましょう。ここは英語学習で重要なポイントです。

① in case of + 名詞

In case of fire, use the stairs.(火災の場合は、階段を使いなさい)

掲示・標識・規則などでよく使われる形。

② in case + 主語 + 動詞

Take an umbrella in case it rains.(雨が降るといけないので、傘を持っていきなさい) ※まだ起きていないことを想定して、あらかじめ備えるニュアンス。

 if との違いについては、

– If it rains, we will cancel the game. (雨が降ったら、試合を中止します)

– Take an umbrella in case it rains. (雨が降るといけないので、傘を持っていきなさい)

前者は「雨が降ること」を条件として、その場合の対応を述べています。後者は「雨が降る可能性」に備えて、事前に行動することを勧めています。なお、in case of fire を if there is a fire と言い換えることはできますが、前者のほうが標識や注意書きらしい簡潔な表現です。

 まとめるなら、if→条件・仮定(起こるかもしれない) in case of~→起こる可能性を考えてあらかじめ対応する、となるでしょう。実際の使用場面では、緊急時、トラブル時、望ましくない事態の注意書き・案内・ルールでよく使われるために(In case of emergency(緊急時には)/ In case of fire(火事の場合には)/ In case of trouble(トラブルがあった場合には)) 、「困った状況で使うことが多い」という印象が強くなるのです。in case of ~ は、予期しない事態や、起こると困る事態を想定した表現として使われることが多いと言えます。ただし、より正確には、「ある事態が起きた場合を想定して、その際の対応や措置を示す表現」と理解するとよいでしょう。♥♥♥

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