no/not more than…

(1) There were not more than six passengers on the boat.
(2) There were no more than six passengers on the boat.

 no more than(たった)と not more than(せいぜい)の区別は、受験英語では基本中の基本として、きちんと覚えるように指導するところです。これを知らないと受験生ではない、と言われそうです。それはそれでいいとして、普通のネイティブ・スピーカーたちは、この両者を厳密に区別しているわけではないことを指摘しておきたいと思います。(1)に関して、ライトハウス英和辞典』(第2版)には「no more than…のように「ほんの、わずかに」の意味は含まれない」という注記が載っていました。この妥当性を探るために、イルソン博士にお尋ねすると、「もちろん両者に意味の違いはあるのだろう。でもその違いはat most とat the very mostほどもないと思う。」と述べられました。1991年、私はアルジオ博士(ジョージア大学)にお願いして、この両者の意味の違いがどれほどネイティブの人たちに意識されているのか、を調べてみました。被験者は14名の新入生、37名の博士課程、14名の修士課程生、6名の学部職員です。与えられた文章の意味と思われるものを選んでもらいました。以下の数字は、その調査結果です。

There were not more than six passengers on the boat.
  = There were only 6 passengers.               2
    There were 6 or fewer passengers.          69
There were no more than six passengers on the boat.
  = There were only 6 passengers.              11
    There were 6 or fewer passengers.          60

 私たちが教室で金科玉条のように強調する両者の区別は、それほど守られているわけではないことがよく分かりますね(もちろんきちんと意味を区別している人もいますが)。アルジオ博士は、”only”と言いたければそう言えばいい、とおっしゃいました。実際の英語ではそれほど重要な区別ではなく、もっと大切なことはいっぱいある、という程度でよいものと考えます。北高のALTジェーン先生も同様の考えでした。私たちの『ライトハウス英和辞典』(第6版)の扱いの背景(ぜひ引いてみてください。他の辞典とはチョット違いますよ)には、こういった調査があるということを実感していただけたと思います。

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